本文に移動

「尹錫悦裁判」証人として出廷の特戦大隊長「議員を引きずり出せとの指示あった」

登録:2025-04-15 08:48 修正:2025-04-15 09:36
特殊戦司令部第1特戦大隊のキム・ヒョンギ大隊長 
尹錫悦前大統領の初公判に証人として出廷 
「軍の司令官たちが過剰な行動」尹の主張に反論
尹錫悦大統領が非常戒厳を宣布した後の4日未明、国会に入ろうとしている軍の車に市民たちが立ちふさがっている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 「(イ・サンヒョン前空輸第1旅団長の指示は、国会の)塀を乗り越えろというもので、その後、議員たちを引きずり出せと言われました。『国会議事堂の主人は国会議員なのに、なんて馬鹿げたことを」と私が悪態をつくのを、私の部下たちが聞いています。この時から異常を感じはじめました」

 特殊戦司令部第1特戦大隊のキム・ヒョンギ大隊長は、14日に行われた尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の内乱首謀容疑の初公判に証人として出廷し、このように述べた。尹前大統領はこの日の公判で、「自分は国会封鎖を指示していない。軍の司令官たちが自分の指示を誤って理解し、過剰な行動をした」という趣旨の発言をして責任をかつての部下に押し付けたが、キム大隊長は国会議員を本会議場から引きずり出せと指示されたことをはっきりと証言した。

 検察側の証人として出廷したキム大隊長は、「(イ・サンヒョン前旅団長から電話で)『(非常戒厳解除案を)議決しようとしているから、ドアを壊してでも引きずり出せ、窓ガラスでも割って入れ』と複数回指示された」と語った。キム大隊長はイ前旅団長から「大統領がドアを壊してでも引きずり出して来いと言っている」とも言われたと述べた。

 大統領の強圧的な指示が命令系統に沿って下りてきたものの、彼は命令に従わなかった。キム大隊長は「正当な指示なのかについて正しい判断ができなかったため、(それを指揮下の兵士に)伝えなかった」と述べた。塀を乗り越えて国会の敷地内に侵入する際に、市民と衝突する危険性もあったという。キム大隊長は「(国会の)塀を乗り越える際、(市民に)非常に殴られた。『市民は我々が守るべき対象なのに、なぜ殴るのだろうか』と疑問に思った」として、「理由もなく殴られはじめると、血気盛んな若い連中の目の色が変わるのが見えた。私がそれで『おい、やめろ、下がれ、引け』と言って下がった」と説明した。キム大隊長は「我々の兵力だけで突破しようと思えばできた」と述べたが、「物理力を使わなければならない状況で、市民たちが誰なのかも(なぜこのようなことをされるのかも)分からなかったので、しなかった」と語った。キム大隊長は「私が指示したのはただ一つ。『引け、我慢しろ、殴るな』。この指示を兵士たちはよく実行した」と補足した。

 キム大隊長は「国会本庁の電気を切れ」とも指示されたと述べた。しかし「兵士たちが心配で(指示)できなかった。誰が(電気を切れと)指示したのか分からないが、映画の見すぎだと思う」と述べた。キム大隊長の証言が終わると、裁判長を務めるチ・グィヨン部長判事は「本日、映画のような説明、お疲れさまでした」と述べた。

チャン・ヒョヌン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1192378.html韓国語原文入力:2025-04-14 19:35
訳D.K

関連記事