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韓国系初の「数学のノーベル賞」フィールズ賞、39歳のホ・ジュニ教授が受賞

登録:2022-07-05 21:05 修正:2022-07-06 13:08
国際数学連合が4年に1回授与する「数学のノーベル賞」 
米国で生まれた後、韓国で小学校から修士課程まで学ぶ 
代数幾何学を用いて組合せ論の多くの難問を解決
米国プリンストン大学教授兼韓国高等科学院(KIAS)碩学教授のホ・ジュニ教授(右側)が5日(現地時間)、フィンランドのヘルシンキにあるアールト大学で国際数学連合(IMU)が授与するフィールズ賞を受賞している=ヘルシンキ/AP・聯合ニュース

 韓国高等科学院のホ・ジュニ碩学教授(39)が韓国系で初めて「数学のノーベル賞」であるフィールズ賞を受賞した。これまで韓国人または韓国系でこの賞を受賞したのはホ教授が初めてだ。

 大韓数学会は5日、「今年の国際数学者会議で、韓国の数学者では初めて韓国科学技術院(KAIST)付属高等科学院碩学教授兼米国プリンストン大学教授のホ・ジュニ氏が、数学者の最高の栄誉であるフィールズ賞を受賞した」と明らかにした。

 フィールズ賞は、国際数学連合が4年ごとに開く世界数学者会議で満40歳未満の数学者に授与する数学界最高の賞で、しばしば数学界のノーベル賞といわれる。ノーベル賞は毎年授与され共同受賞者が多いが、フィールズ賞は4年に1回、40歳未満の数学者に最大4人までしか授与されないため、ノーベル賞より受賞が難しい賞と評される。ホ教授は1983年6月生まれ。フィールズ賞はカナダの数学者ジョン・チャールズ・フィールズの提案で1936年に制定され、今年までに計64人が受賞した。今年の世界数学者会議は6~14日に非対面形式で開かれ、フィールズ賞の授賞式はフィンランドのヘルシンキで5日に開かれた。受賞者にはそれぞれ1万5000カナダドルの賞金が与えられる。

5日(現地時間)フィンランドのヘルシンキにあるアールト大学で「数学のノーベル賞」といわれるフィールズ賞を受賞したプリンストン大学教授兼韓国高等科学院碩学教授のホ・ジュニ教授=ヘルシンキ/AP・聯合ニュース
韓国高等科学院のホ・ジュニ教授が5日、フィンランドのヘルシンキで開かれた国際数学連合のフィールズ賞授賞式で、賞を受け取っている=YouTubeの中継よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 国際数学者会議は126年の歴史がある。韓国の数学者としてフィールズ賞を初めて受賞したホ・ジュニ教授は、米国で生まれた後に韓国に渡り、小学校から大学院修士課程まですべて韓国で教育を受けた。ソウル大学で数理科学部と物理天文学部を複数専攻、ソウル大学数学修士を終えた。米ミシガン大学で数学博士号を取得した後、現在は米プリンストン大学教授および韓国高等科学院碩学教授として活動している。

 ホ教授は代数幾何学を利用して組合せ論の分野で多数の難問を解決し、代数幾何学の新たな地平を開いた功労が認められ、フィールズ賞を受賞した。代数幾何学は、方程式を通じて図形や空間の性質を研究する学問で、組合せ論の基礎的な概念は中・高校教科課程に出てくる「場合の数」だ。ホ教授の研究業績は、情報通信、半導体設計、交通、物流、機械学習、統計物理など多くの応用分野の発達に寄与している。ホ教授は、かつて組合せ代数幾何学の分野で特に代表的な難問として知られていたリード予想などを解決した。リード予想は、英国の数学者ロナルド・リード氏が1968年に提示した問題だ。

 ホ教授は「私にとって数学は、私自身の偏見と限界を理解していく過程であり、人間という種がどのような方式で考え、またどれほど深く考えることができるのかを追求することだ。自ら楽しくしている仕事に意味のある賞を頂き、深い感謝を感じる」と受賞の感想を述べた。

 ホ教授の修士課程の指導教授だったソウル大学のキム・ヨンフン教授(数理科学部)は、「ホ教授は修士課程在学中、1970年のフィールズ賞受賞者の広中平祐教授の講義を聞き、本人の研究テーマを決め、それがその後の業績につながった。ホ教授はソウル大学と韓国の研究システムを足場にして成長した数学者だ」と述べた。大韓数学会のクム・ジョンヘ会長(現・高等科学院教授)は、「ホ教授の受賞は、今年2月1日に国際数学連合が韓国数学界の国家等級を最高等級である第5グループに引き上げたことに続く、韓国数学界の快挙」だと述べた。

イ・グニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/1049753.html韓国語原文入力:2022-07-05 19:43
訳M.S

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