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[書評] PISA2位を自慢する韓国の本当の成績

登録:2015-06-11 22:05 修正:2015-06-12 07:49
『多くの賢い子供たちはどこへ行ったのか?』
『多くの賢い子供たちはどこへ行ったのか?』 クォン・ジェウォン著/知識フレーム・1万5000ウォン //ハンギョレ新聞社

 3年ごとに経済協力開発機構(OECD)が国際学業達成度評価(PISA)の結果を発表する。 満15歳の読解、数学、科学部門の能力を評価・計量化した資料だ。

 マスコミでは韓国の部門別点数と順位を報道する。 2000年に始まり10年以上の資料が蓄積され、2012年報告書は300ページ6冊に及ぶなど、その内容と分量を考慮すれば、スイカの皮をなめる程度の水準だ。 著者はPISA報告書を縦横に深く調べることにより、韓国は上位圏に属するが、知識社会を先導するには無理があるという衝撃的な分析を出している。

 報告書の核心は平均値や順位ではなく、1~5等級に分類された達成度分布。読解を例にあげれば、韓国は知識労働者として仕事が出来る最低限の能力を備えた3等級以上が76%で、フィンランドに次いで2位だ。 だが、価値を創出できる5等級は6%に過ぎない。 18%であるフィンランドの3分の1だ。 韓国の子供たちが数学の勉強にかける時間は最も長い。 だが、点数を学習時間で割った学習効率化指数はOECDの平均にも至らない24位だ。さらに大きな問題は成人。25歳以上の読解水準はOECD国家の中でちょうど中間だ。 55歳以上については最下位圏で、自分に関する文を読んでも、それが自分の話だとは分からない水準だ。「卒業すれば勉強は終わり」の社会の症状だ。

イム・ジョンオブ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/695628.html 韓国語原文入力:2015-06-11 20:44
訳J.S(760字)

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