苦難の中守り抜いた朝鮮学校中等教育70周年
現在も日本国内の差別に苦しむ
卒業生たちソウルで「花房コンサート」
「堂々とした朝鮮人」としての生き方が舞台に
「朝鮮学校に通っていなかったら、今の私はなかったでしょう。私のルーツを教えてくれたところです。朝鮮学校は日本で韓国(朝鮮)語とハングル、民族性を学び、感じる『在日同胞の大きな家』です」(在日同胞3世俳優、チョン・ユグィ氏)
「朝鮮学校があったから、在日同胞の今日があります。我が身を削ってでも守り、発展させていかなければならない、大切なところです」(在日3世の映画監督、朴英二<パクヨンイ>氏)
在日朝鮮学校の中等教育実施70周年を迎え、朝鮮学校を卒業した同胞芸術家たちが参加する「花房コンサート」が今月、ソウルで開かれる。朝鮮学校を応援する舞台はミュージカル俳優のキム・スンラ氏、鄭雅美(チョンアミ)氏、チョン・ユグィ氏をはじめ、シンガーソングライターのfasun、映画監督の朴英二氏が参加し、吟遊詩人の歌手のイ・ジサン氏も特別ゲストとして出演する。同胞芸術家たちはコンサートで「堂々とした朝鮮人」として生きていく自分たちの物語を公開する。公演を控え、チョン・ユグィ氏と朴英二監督に電子メールを通じてインタビューした。
「私の祖父、祖母が植民地支配の困難を乗り越え、命をかけて朝鮮学校を守ってくれました。私はNANTA公演に出演しながら、韓国で2年間住んでいましたが、韓国の方々が私たちの現実についてあまりご存知ないようで、本当に悲しかったです。今回のコンサートを通じて、私たちの存在、また我が学校の存在を知らせたいです。そして、私自身も、日本で生まれ育っても朝鮮民族の代を継ぐ決意をさらに固める機会になったらと思います!」
神戸朝鮮高級学校を卒業したチョ・ユグィ氏が言う通り、朝鮮学校は多くの同胞にとって「大きな家」のような存在だ。朝鮮学校の「朝鮮」は国籍ではない。日本政府は、1945年の敗戦後、朝鮮人の日本国籍を剥奪し、「朝鮮籍」で登録するようにした。したがって、「朝鮮籍=総連系」という等式は成立しない。1945年日本国内の朝鮮人たちは韓国(朝鮮)語を忘れないように、「国語講習所」を設置した。米軍政と日本の当局は、強制的な廃校措置に乗り出したが、同胞たちがこれに対抗し、勝ち抜いた結果が朝鮮学校だ。現在、朝鮮学校は、幼稚園が38カ所、初級部が53カ所、中級部が33カ所、高級部が10カ所、大学が1カ所、併設学校が64カ所で、学生数は約8000人だ(地球村同胞連帯編『朝鮮学校物語―あなたのとなりの「もうひとつの学校」』)。
今、朝鮮学校には韓国国籍者が50%を超える。誰がなんと言おうと、民族教育と同胞社会の心強い求心点だが、朝鮮学校は困難に直面している。安倍政権と自治体が2014年に国連の人種差別撤廃勧告を無視し、朝鮮学校を高校無償化対象から除外し、補助金の支給を停止したからだ。
神奈川朝鮮中高級学校と東京朝鮮大学出身の朴英二監督は、日本社会の差別について懸念を示した。「後輩の女子学生が学校に行く途中、暴行を受けて入院しました。朝鮮学校の生徒は高校無償化から除外され、『ヘイトスピーチ』の脅威の中で生きています」。朴監督は、「チマチョゴリ切り裂き事件」を取り上げた短編映画『まとう(2010)』で、第5回福見映画祭で大賞を受賞した。
韓国語原文入力:2016-02-03 19:04