在特会相手に2750万円の損害賠償訴訟
在日朝鮮人女性作家が人種差別的な‘嫌韓デモ’(ヘイトスピーチ)で悪名高い日本の右翼団体「在日特権を許さない市民の会」(在特会)会長を相手に損害賠償請求訴訟を提起した。 最近、日本の社会で進行している嫌韓デモに対抗する動きと関連して、どのような結論が出るか関心が集っている。
東大阪市に住む在日朝鮮人作家の李信恵(リ・シネ)氏(43、写真)が18日、大阪地方裁判所に在特会の桜井誠会長と右翼インターネットのニュース サイト「保守速報」の運営者を相手に損害賠償請求訴訟を提起したと『毎日新聞』などが19日に報じた。 李氏はこの日の記者会見で「オンラインや街頭でなされている嫌韓デモにブレーキをかけたかった。人種差別的な攻撃は人の心に落書きをする行為で(攻撃された人は)深い傷を負うことになる」と今回の訴訟の背景を説明した。彼女はこの日、桜井会長には550万円、保守速報には2200万円の賠償金を請求した。
李氏は在特会の嫌韓デモが猛威を振るうと、オンラインニュースやホームページなどでこれを批判する文を一貫して投稿してきた。これに対して桜井会長は昨年1~7月、李氏を‘朝鮮人ババア’などの差別的表現で非難し、保守速報も「はよ出て行けよババア」など、オンラインに上がってきた匿名発言などを集めて記事を作成した。 毎日新聞は嫌韓デモと関連して個人が損害賠償請求訴訟を起こすのは今回が初めてだと指摘した。
これに先立ち大阪高等裁判所は先月、朝鮮学校周辺で嫌韓デモを行った在特会会員らに対して、1審と同じ1200万円の賠償金の支払いを命じる判決を下した。 以後、安倍晋三 首相ですら嫌韓デモに対して「日本の誇りを傷つけるもので、国際社会から見れば恥ずかしい行為だ。きちんと対処しなければならない」と警鐘を鳴らした。 しかし、日本社会の一角では‘表現の自由’を掲げて政府の規制に反対する立場を明らかにしている。
東京/キル・ユンヒョン特派員 charisma@hani.co.kr