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ハルビンに鳴り響いた安重根義士の万歳三唱

登録:2015-02-09 08:39 修正:2015-02-09 08:48
ミュージカル『英雄』中国で開幕公演
光復70周年、安重根殉国105周年、安重根記念館1周年を記念して中国黒龍江省ハルビン市ファング劇場で開かれたミュージカル『英雄』の一場面。1600席の客席は埋め尽くされ中国人は大きな拍手を送り安重根義士に敬意を表わした。エイコム提供 //ハンギョレ新聞社

零下20度の寒さで1600席埋め尽くす
伊藤狙撃場面になると万雷の拍手
満州原野の汽車追撃戦も実感溢れ
安重根記念館開館1周年記念
ハルビン市は装備貸与や滞留支援

 「大韓独立万歳~! 大韓独立万歳~! 大韓独立万歳~!」

 安重根(アン・ジュングン)義士が伊藤博文を狙撃した後に万歳三唱を呼ぶ場面に及ぶと、客席から万雷の拍手が沸き起こった。韓国の領土ではない安義士の義挙現場であるハルビンで、しかも中国の観客が大多数を占める公演で起きたことだった。“アジアの英雄”に送られた賛辞の拍手は、その音まで敬虔な響きに聞こえた。

 安重根義士の人生を扱った韓国の創作ミュージカル『英雄』が、光復(解放)70周年、安重根義士殉国105周期、安重根記念館開館1周年を迎えた7日、中国黒龍江省ハルビン市の国際コンベンションセンターのファング劇場で歴史的な幕を上げた。翌日の8日まで計3回行われる公演の序幕となったこの日の公演は、零下20度の寒さに雪まで降る悪天候だったにもかかわらず、1600席の客席が埋め尽くされた。

 ミュージカル英雄は2009年に安重根義挙100周年を記念し初めて披露された大型創作ミュージカルで、そのライセンスに劣らぬ雄壮な規模と作品性により、韓国の創作ミュージカルの水準を一段階高めたと評価された作品だ。2011年には米国ニューヨークのブロードウェー・リンカーンセンターの舞台にも上がり好評を博したことがある。

 この作品は韓国人の民族的英雄である安重根義士の人生を扱いながら、彼の英雄的側面より人間的な姿に焦点を合わせている。自分を助けて死を迎えた中国の友人の死に嗚咽し、宿命的義挙を前にして胸中を過ぎる不安に耐えかね神に祈りを捧げる姿などは、彼も平凡な人間だったことを見せてくれる。そんな彼が恐れに打ち勝ち“英雄”として踏み出す話は、韓国人だけでなく中国人にも深い印象を残した。

 劇中で安重根の友人でありギョーザ店主人のワン・ウェイが独立軍にギョーザを提供する場面で中国語のせりふが出てくると、客席からは笑いが漏れることもあった。また、満州の原野を走る汽車を舞台上に完全に再現した場面、独立軍と日本の警察が建物の間を縫って追撃戦を繰り広げる場面などは、雄壮ながらも迫力感溢れ観客を感嘆させた。

 妻と子供を連れ公演を観にきたハルビン工業大学のテン・ウィビン教授(42)は「韓国同様に当時は中国も日本の侵略に苦しめられていた状況だったので、作品を観ている間ずっと共感を持てた」と話した。母を連れてきたという会社員のチャン・チュオ氏(57)も「安重根についてはぼんやり知っていただけだが、今回の公演を通じて彼の人生をよく知ることができてうれしい」と話し、「祖国のために大切な命を捧げた彼の英雄的行動を尊敬する」と感想を述べた。

 英雄を製作したエイコムのユン・ホジン代表は「安重根義士の義挙現場であるハルビンで英雄を公演するため、独立運動をする気持ちで準備した」と語り、「意味深い2015年に公演ができて夢のようだ。今回を機会に安重根義士の業績が広く知られる契機になることを願う」と希望を膨らませた。ハルビン駅に安重根記念館を開館できるよう支援したハルビン市は、今回の公演のために装備貸与の便宜や製作スタッフの滞留費用を提供するなど支援を惜しまなかったと伝えられた。ミュージカル英雄は中国公演に続き4月にはソウル漢南(ハンナム)洞ブルースクエアのサムスン電子ホールの舞台にも上がる予定だ。

ハルビン/ユ・ソンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.02.08 19:17

https://www.hani.co.kr/arti/culture/music/677401.html 訳Y.B

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