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和田春樹 "日本の独島(トクト)領有権主張は愚の骨頂"

登録:2013-03-30 00:53 修正:2013-03-30 08:54
東北アジア領土問題、どのように解決するべきか
和田春樹 著、イム・ギョンテク訳/四季・1万6800ウォン

 和田春樹東京大名誉教授が‘独島(竹島)問題’等、東北アジアの領土問題に関する非常に現実主義的な解決法を提示した。 まず‘独島問題’に対する彼の考えはこうだ。

"(韓国側)主張の核心は、1905年1月の日本による竹島(独島)領有は朝鮮侵略を始めて5年後の強圧的な韓国併合のための前兆として行われたという点にある。 日本がこの主張に論駁することは不可能だ。 そしてこの主張にともなう独島支配は韓民族が存在する限り、大韓民国が存在する限り、絶対に撤回されることはないだろう。"

 それなら日本があきらめるか、戦争でも行って強制的に奪うか、そのまま未解決状態を続けるかしかない。 しかし、どれも選択し難い。 1951年サンフランシスコ講和条約で米国がその帰属を曖昧に処理したことによって始まった独島問題は、同じく米国の圧迫で始まった韓-日国交正常化交渉過程で韓国が実効支配しているものの、韓国・日本両国が共に自国領土であることを主張できるようにした‘密約’によって今日まで未解決留保を事実上の解決方式として採用してきた。 いわゆる‘独島モデル’だ。 釣魚島(尖閣諸島)問題もこの前まではこの独島モデルを援用してきた。 ところが、もはや独島モデルが有効でない時代になったと和田教授は言う。 冷戦崩壊と韓国の民主化などで韓-日癒着関係が壊れ、2005年に日本島根県が独島領有を公開的に主張した後、韓国がこれに対し正面対応することによって密約体制は存立できなくなった。 釣魚島問題も似た状況だ。 今は問題を認めた後に対話と協議に入らなければ双方共に甚大な損失をこうむる状況に置かれた。 そのような場合、東北アジア3国と同時に同様な問題を抱いている日本が孤立することになり致命打を受ける公算が高い。

和田春樹 東京大名誉教授

 和田教授が下した独島問題の処方箋はこうだ。 "韓国が実効支配する独島=竹島に対する主権主張を日本が断念すること以外には他の方法がない。 この決断は早ければ早いほど良い。 展望のない主張を続けて、韓-日関係、日本人と韓国人の感情をますます悪化させるのは愚の骨頂だ。"

 そうは言っても、日本がたた全てを渡せということではない。 和田教授は独島が韓国領土だということを日本が認め、代わりに韓国は独島を領海など境界水域を定める基点とはせずに、日本島根県漁民の周辺海域共同利用権を保障することによって双方が利益になる側で妥協しろと助言する。 このために固有領土とか実効支配にこだわらず、まず紛争が存在するということを認め、対話と交渉を始めなければならない。 これは日本軍性的奴隷(慰安婦)等、依然として未解決状態にある他の過去事問題の清算作業と同時に進行されなければならない。

 この本は、ロシアと葛藤中の‘北方領土’問題に焦点を合わせている。 この分野の屈指の専門家である和田教授の説明は明快で一目瞭然だ。 この問題で日本政府は嘘をついている。 日本の敗戦後、戦勝国らの合意により千島列島南端の‘北方4島’を全て占めたロシア(当時 ソ連)が1956年の日-ソ共同声明の時に2島を返すことで日本政府と合意したが、今になって日本政府は残りの2島も当初からロシア帰属の島々に含まれていなかったという側に言葉を変えたと和田教授は指摘する。 ここには冷戦時期に日本‐ロシアの接近を防ぐため4島一括返還を要求しろと日本政府を圧迫した米国が重要な役割を果たした。

 釣魚島と沖縄問題は性格がやや違うが、米国が主導した敗戦国日本の戦後処理過程で派生したという点では大同小異であり、その解決方法も対話と妥協、そして共生の道探ししかないと和田教授は語る。 ハン・スンドン記者

https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/580441.html 韓国語原文入力:2013/03/29 22:11
訳J.S(1707字)

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