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周辺国 権力再編 初年度…朴槿恵-金正恩、韓半島新構図はどうなる

登録:2013-01-01 01:01 修正:2013-01-29 10:48
新年特集 2013東北アジア展望

 尖閣列島(中国名 釣魚島)が熱かった去年の夏、日本の作家 村上春樹が "安酒みたいだ" と一喝した国家主義は今年も東アジアを揺るがすのだろうか? 昨年北韓を始め米国、中国、日本、韓国で相次いで権力再編がなされ、東北アジア情勢を主導する‘選手たち’が出揃った。 アジア太平洋4+1ヶ国が描く2013年東アジア地形を推し量る3つイシューを探ってみる。

北韓が構図を揺さぶる手

‘北ロケット’制裁議論が試金石
朴当選人‘対話再開’を表明

 東北アジア3国の権力交替が終えられまみえる初年度である2013年は、韓半島新構図作りの出発点になりうる。 これは韓半島を越えて東アジアの地形変化にも直結する問題だ。

 その議論の試金石はまず昨年12月12日に北韓が打ち上げた長距離ロケットに対する国連安全保障理事会の対北制裁案だ。 昨年末を越すことはないという予想を裏切って米国と中国の激しい神経戦のためにまだ糸口を見つけられずにいる。

 バラク・オバマ米国大統領は昨年11月 「北韓が核兵器を諦めれば助けの手を差し出す」と再び明らかにしたが、‘北韓が真正性のある変化を見せなければ対話はない’という原則もまた守っている。 ‘ハト派’のジョン・ケリー国務長官指名者がどのような役割をするのかが注目される。 反面、中国の習近平総書記は、昨年11月金正恩北韓労働党第1秘書に送った親書で 「北韓-中国友好関係を発展させることは中国共産党新指導体制の確固たる意志」と明らかにしたことから見るように、北韓と‘脣亡びて歯寒し(協力共存)’の関係を継続する方針だ。 中国は6者会談を通じて北韓問題を解決しなければならないという態度だ。

 米国と中国の間の議論が年初から進行されるだけに2月25日にスタートする朴槿恵(パク・クネ)政府は政府のスタート前にも対北韓制裁案に対する議論に参加しなければならないだろう。 朴槿恵当選人は選挙運動期間に「対話に前提条件はない」として対話再開に乗り出す意向を明らかにした。 しかし「信頼が積もって北韓の非核化が進展すれば国際社会も参加する大規模経済協力プロジェクトを推進する」と話して、信頼回復の重要性もまた強調した。 朴当選者が話した‘韓半島信頼プロセス’の作動可否も初期にどのような努力を傾けるかにより変わりうる。

 周辺国が原則的立場を強調している状況では北韓の態度が‘構図を変えてしまいうる’直接的契機にならざるを得ない。 金正恩第1秘書が長距離ロケット発射の成功で金正日国防委員長の遺言を崇めた後、国際社会の反発を押し切り追加核実験や長距離ロケット追加発射を強行するのか、あるいは国防問題がある程度解決されたと見て経済問題に関心を注ぐかがカギになる。

ワシントン/パク・ヒョン特派員 hyun21@hani.co.kr

東京発‘為替レート戦争’は起きるのか

果敢な‘円安’推進‘アベノミックス’
周辺国らと量的緩和競争 憂慮

‘東京発為替レート戦争が起きるかも’

 安倍晋三日本総理が果敢な通貨緩和を主導しているために出てくる言葉だ。 安倍総理は12月16日に総選挙を控えて自民党総裁の資格で "輪転機をグルグル回しても金を印刷して解く」と話した。 日本円が市場にあふれ出れば日本円の価値は下落する。 日本企業の輸出競争力は強くなる。 競争国もこれに対抗して自国通貨の価値を下げようとする誘惑に陥りやすい。

 安倍総理が推進するいわゆるアベノミックスの目標は、物価を人為的に引き上げて日本経済がデフレーションの悪循環から抜け出すようにするということだ。 物価が下がれば企業は生産と雇用を減らす。 すると家計所得が減り再び消費不振のために物価が下落圧力を受ける。 このようなデフレーションの悪循環構造から抜け出すために安倍総理が日本銀行に市場に対して果敢に金融を緩めろという圧力強度は以前とは比較できないほどだ。

 総選挙で圧勝した安倍は12月17日 白川方明 日本銀行総裁に会い金融緩和を要求した。 物価上昇率目標を2%に定めて、これに合わせて通貨政策を展開しろということだった。 白川の任期は3月末に終わる。 安倍は自身の政策を受け入れる人を新総裁に任命するとして圧力を加えた。 安倍政府は財政支出も大きく膨らませ、金融緩和を加速化する計画だ。

 安倍政府の金融政策は国際金融市場に‘円弱勢’を呼び起こした。 日本円の価値は安倍が果敢な金融緩和を要求し始めるやドル当り80円内外へ下落し始め、安倍内閣がスタートした12月26日にはドル当り85円台を突破した。 日本銀行がより一層強力な金融緩和に着手すれば日本円の価値は一段階さらに下がる可能性が高い。

 日本円は日本の低い物価水準に力づけられ、米国発サブプライム危機とヨーロッパ財政危機をたどりながらずっと強勢を示してきた。 ‘円高’時代に韓国をはじめとする輸出競争国の企業らは大きな利益を手にした。 アベノミックスがそのような時代を終わらせるのか、国際金融市場の目が東京に集まっている。

東京/チョン・ナムグ特派員 jeje@hani.co.kr

‘火薬庫’尖閣、高まる発煙点

安倍帰還 日本 再武装 本格化
中国 社会不満 民族主義として噴出

‘東北アジアの火薬庫になった尖閣諸島(中国名 釣魚島)に留意せよ!’

 東アジア国家の指導者ならばこのような警告を十分噛み締める必要がある。 東アジアで米国と中国の‘競争’が激しくなったことを背景に、日本の植民地支配と冷戦を経て化膿してきた領土紛争と国家主義が危なっかしく噴出し始めた。

 日本右翼の看板スター 石原慎太郎が火を点けた尖閣列島国有化が去る9月に現実となり、中国と日本は戻れない川を渡ったような対峙状態に入った。 中国は日本が自国の領海だと主張する海域に海洋監視船をしばしば進入させ日本の実効支配を無力化しようとしており、上空に航空機を進入させている。

 右翼強硬派である安倍晋三日本総理の‘帰還’はそのためにより一層注目を浴びている。 安倍は12月の総選挙勝利後‘第一声’で平和憲法改正意志を明らかにして日本再武装を本格化する態勢だ。 尖閣諸島に公務員を常駐派遣するという公約の履行はひとまず留保する意向をほのめかしたが、総選挙勝利後の記者会見で‘当面の良い関係を維持するために大きな国益を犠牲にしてはいけない’とした彼の話は、必要ならば中国との関係がさらに悪くなることも覚悟するという意志を込めたものと解釈されている。 植民地時代の日本の誤りを否定して、領土問題で強硬発言をしてきた議員を閣僚に大挙起用したことも外交葛藤の火種になる。

 中国の新指導者 習近平総書記も一歩も退くそぶりがない。 彼は2012年9月レオン・パネッタ当時米国国防長官に面会した席で「日本の釣魚島国有化は笑わせる話」と釘を刺した。 「米国が釣魚島紛争に介入するな」とも明確に要求した。

 両国指導部が言葉は強硬でありながらも最悪の状況は避けようとしているが、問題は昨年香港の団体による釣魚島上陸時のような偶発的事件が発生する場合、全面的統制がますます不可能になると見える点だ。 経済危機のどん底から抜け出せずにいる日本社会では‘中国脅威論’を煽り、軍事力強化を主張する右翼勢力が急激に浮上した。 経済大国に浮上したものの貧富格差など社会的不満がつのった中国でも強力な民族主義が噴出している。 東アジアの秩序を再編しようとする米国と中国の競争は南中国海紛争などでもこの地域の国家を葛藤の中に引き込んでいる。

北京/パク・ミンヒ特派員minggu@hani.co.kr

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アジア太平洋 4+1ヶ国 首脳の‘外交スタイル’

朴槿恵(パク・クネ)大統領当選者‘韓半島信頼プロセス’稼動
崩れた対中関係の回復に乗り出す公算

 朴槿恵大統領当選者は22才からファーストレディの役割をして外交経験を積んだ。 儀式になじみ党代表を務め外交関連人脈がある。 朴当選人は外交でも‘信頼’を前面に掲げる。 朴当選人は去る10月、人道的支援を維持し6者会談活性化を通じて北核問題を解決するとして‘韓半島信頼プロセス’を発表した。 だが、天安(チョナン)艦、延坪島(ヨンピョンド)事態と西海(ソヘ)北方境界線(NLL)問題などには頑強な態度を堅持した。 朴当選人は現政権で疎遠になった対中関係の改善に力を傾けるものと見られる。 数回にわたり「韓-米-中 3者戦略対話活性化」を前面に掲げ関係のアップグレードを強調した。 米国とは包括的戦略同盟関係の枠組みを維持・強化する模様だ。 朴当選人は日本に関しては「歴史葛藤克服」程度だけを言及した。

ソン・ヨンチョル記者 sychee@hani.co.kr

金正恩 北労働党第1秘書
ロケット成功…対米交渉に有利
果敢に接近する可能性も

 金正恩の挑戦課題は米国との関係改善を通した体制の安全保障だ。 既存停戦協定体制を平和協定体制に転換することだ。 金正日国防委員長時期に二度核実験をしたのに続き、2012年12月には2回の挑戦の末に長距離ロケット発射に成功することによって金正恩は米国との交渉で非常に有利な高地にのぼった。 北韓があらゆる制裁に屈服せず、武力攻撃でも押し倒せない国であることを刻印させることに相当部分で成功した姿だ。

 金正恩は2012年4月の1次ロケット発射時に外国マスコミを呼び、失敗するや直ちにそれを認め、夫人を公開席上に同席させるなど非常に開放的な態度を見せている。 対外関係でも過去とは異なる果敢な接近をする可能性が伺える。

東京/チョン・ナムグ特派員

オバマ米大統領
両者同盟・国際協力 重視
水面下で妥協点を捜し出す

 バラク・オバマ米国大統領は東北アジアで‘アジアへの帰還’政策の加速化と中国に対する牽制、北韓核問題解決という挑戦課題を抱えている。

 オバマ大統領は外交で両者同盟と国際協力を同時に重視している。 国際懸案を前に自ら立ち上がって主導するよりは後からコンセンサスを集めながら妥協点を探していくスタイルだ。 しかし冷徹な彼の性格が外交政策に投影されていたりもする。

 このような特性は中国牽制と北韓核問題でも見ることができる。 北韓核問題でも‘悪い行動には補償がない’という原則を守っている。 北韓が態度変化をしたり韓国政府が南北関係改善を通じて対話ムードを作らない限り、オバマ行政府が北韓-米国関係の改善に簡単に乗り出すことはないと展望される。

ワシントン/パク・ヒョン特派員

習近平 中国共産党総書記
中華民国の偉大な復興を強調
領土紛争では譲歩はないという態度

 習近平 中国共産党総書記の最優先課題は、貧富格差の解消と不正腐敗の清算、成長モデルの転換など国内問題の解決だが、そのためにも中国に有利な国際的環境を作ることが切実な課題になる。 米国の中国包囲戦略を突破して、日本・東南アジア国家との釣魚島・南中国海領有権紛争を適切に解決して行くことが彼の課題だ。 彼は何度も‘中華民族の偉大な復興’を強調しながら、領土・主権については一寸の譲歩もないという立場を示してきた。

 習近平は若い時期にコンビャオ当時国防長官の秘書として軍の経験を積んだうえに、革命元老である父親の習仲勳の後光で軍部に幅広い人脈を有している。 彼が軍を強く掌握しているため必要な時には強硬な態度で出てくるという観測が出ている。

北京/パク・ミンヒ特派員

安倍 日本総理
‘政治所信’強く摩擦不可避
葛藤を避ける実用主義的側面も

 安倍総理は米-日同盟の強化を最大の外交的課題として提示しているが、尖閣列島(中国名 釣魚島)を巡る中国との葛藤で日本が受ける損失を最小化することも大変に重要だ。

 安倍総理は保守理念指向的な人物だが、外交では実用的な態度を見せたことも多い。 2006年一回目の総理就任当時、直ちに中国と韓国を訪問するなど小泉純一郎前総理時期に悪化した関係の回復に乗り出した。 去る12月の総選挙で再執権に成功した後にも、‘竹島(独島)の日’行事の政府主催などを留保するなど、不必要に外交的葛藤を拡大することは自制している。 しかし来る7月の参議院選挙で自民・公明党連合が勝利して政権が安定すれば、憲法改定など政治的所信を押し進めながら周辺国との摩擦を本格化させる可能性もある。

東京/チョン・ナムグ特派員

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/567773.html 韓国語原文入力:2012/12/31 20:59
訳J.S(5309字)

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