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青年気候行動のメンバーらが先月23日、大統領府前で政府の温室効果ガス対策を求める記者会見を行っている。バイデン米大統領が主導してオンライン開催された気候サミットで、文在寅大統領は「韓国は2030年の温室効果ガス削減国家目標をさらに引き上げ、今年中に国連に提出する予定」と明らかにしている/聯合ニュース

　これまでに主要国が打ち出している温室効果ガス削減目標が計画通り履行されれば、2030年には韓国の1人当たりの二酸化炭素(CO2)排出量が国内総生産(GDP)上位10カ国で1位となるという分析が発表された。その国の人口に大きく左右される国ごとの総排出量とは異なり、1人当たりの排出量は経済構造だけでなく、国民の生活水準やエネルギー消費行動も反映することから注目される。

　社団法人気候変動行動研究所は9日、世界10大経済大国が現在までに公表している温室効果ガス削減目標に則って二酸化炭素を削減した場合、2030年には韓国がこれらの国の中で1人当たりの二酸化炭素排出量の最も多い国となると発表した。研究所が分析対象にした10大経済大国は、国際通貨基金(IMF)が評価した2020年の名目国内総生産(GDP)の上位10カ国で、米国、中国、日本、ドイツ、英国、インド、フランス、イタリア、カナダ、韓国だ。韓国は昨年、ブラジルとロシアを抜いて10位以内となっている。

　世界のすべての国を対象とした1人当たりの二酸化炭素排出量の順位では、熱帯地域にある小さな島国や産油国などが上位を占める。世界資源研究所(WRI)の最新資料である2018年の1人当たりの二酸化炭素排出量を見ると、ソロモン諸島が1位、カタールが2位。米国は17位、韓国は22位だった。

　気候変動行動研究所が分析に使用したグローバル・カーボン・プロジェクトとオランダ環境評価庁(PBL)の資料によると、2019年の韓国の1人当たりの二酸化炭素排出量は11.93トンだった。10カ国のうち、米国(16.06トン)とカナダ(15.41トン)に続き3番目に多い量だ。中国は総排出量では1位だったが、人口で割った1人当たりの排出量は7.1トンで、10カ国中、日本(8.72トン)、ドイツ(8.4トン)に続く6位にとどまった。

　しかし同研究所が、これらの国が現在発表している温室効果ガス削減目標に沿って二酸化炭素を削減したと仮定して、2030年の1人当たりの二酸化炭素排出量を推測したところ、韓国が9.17トンで米国(8.59トン)とカナダ(8.12トン)を抜くという結果となった。韓国が国連に「国が決定する貢献(NDC)」として5年前に提出した、「2017年比で24.4％削減(2016年に提出した2030年排出量見込み(BAU)比37％と同じ)」という目標を固守している一方、米国とカナダは最近、削減目標を大幅に引き上げているためだ。

　米国のジョー・バイデン大統領は先月開かれた気候サミットで、「2025年までに2005年比で26～28％」となっていた従来の削減目標を「2030年までに2005年比で50～52％」とし、2倍ほどに引き上げることを公表した。カナダのジュスタン・トリュドー首相も2030年の削減目標を2005年比30％から40～45％に引き上げることを発表した。

　主要10カ国のうち、2030年に1人当たりの二酸化炭素排出量が2019年より増加する国は、中国とインドの2カ国のみ。しかし分析によると、両国の排出量も韓国を大きく下回る。気候変動行動研究所は、中国の2030年の1人当たりの二酸化炭素排出量は2019年から小幅増の7.21トンで、10カ国中4位となると予想する。これは、中国が発表した「2060年カーボンニュートラル(炭素中立)」目標と「第14次5カ年計画」のエネルギー展望を根拠に推測した結果だ。インドの排出量は、現在国連に提出されているNDCを適用した結果、2019年の2倍近くになっても3.72トンにとどまると推定される。

　同研究所のパク・フン研究委員(エネルギー環境政策学博士)は「韓国が米国すらも抜いて1人当たりの温室効果ガス排出量1位となった場合、国際社会においてどのような立場に置かれるかはたやすく想像できる」とし「政府が年内に国連に提出するNDCで、削減目標を画期的に上げることを期待する」と述べた。