22日(現地時間)から2日間オンラインで開かれる米政府主催の気候変動サミットは、今年相次いで予告されている国際的な気候変動に関する外交戦の第1幕となる。5月末に韓国のソウルでP4Gソウルサミット、11月初めに英国のグラスゴーで第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が開かれる。
今回の気候変動サミットは、バイデン政権発足後初めて開かれる国際会議だ。バイデン政権が発足してすぐに前任のトランプ政権が脱退したパリ気候変動協定に再加盟し、国際的な気候変動への対応協力を固めるために設けられた場だ。トランプ政権前の状態に戻り、米国主導の新しいリーダーシップを知らしめるための試験台という評価が出ている。環境運動家のグレタ・トゥンベリさんなど世界の気候運動家から気候対応を求める声が本格的に始まった2019年以降、世界の首脳が初めて集まり、地球規模の気候危機への対応に向けて意志を表明する行事と言える。
来月30~31日にソウルで開かれるP4G(グリーン成長とグローバル目標2030のための連帯)ソウルサミットは、韓国・インドネシア・ベトナム・バングラデシュ(アジア)、デンマーク・オランダ(欧州)、メキシコ・コロンビア・チリ(中南米)、エチオピア・ケニア・南アフリカ共和国(アフリカ)など、各大陸別の12カ国の首脳が気候危機対応のためオンラインで会議を行う。先進国、開発途上国、政府、企業、市民社会など幅広く参加する。
第1回会議は2018年10月に韓国、デンマークなど8カ国が参加し、デンマークのコペンハーゲンで開かれた。2019年9月の国連総会に出席した文大統領は、世界の首脳の前でP4G韓国開催を宣言し、国際社会に韓国政府が気候変動への対応に積極的であることを伝え、1年半にわたって会議を準備してきた。「包容的なグリーン回復によるカーボンニュートラルビジョンの実現」をテーマに、食糧、農業、水、エネルギー、都市、循環経済の5分野で気候変動に対応する解決策を議論し、開発途上国に提供することを目標とする。
11月1日から12日にかけて英国のグラスゴーで開かれるCOP26は、気候変動のイシューで世界各国が一堂に会す、一種の「気候変動対応オリンピック」だ。温室効果ガスの種類や国別の削減義務を規定した京都議定書(1997年・第3回)、地球の平均気温の上昇を1.5度に制限することを200カ国あまりが署名したパリ気候変動協定(2015年・第21回)がこの総会で決まった。このため、今年も人類の未来を決定する変曲点になる宣言が導き出されるという期待が高い。主催国の英国は、韓国のK-POPスターのBLACKPINKをグローバル広報大使とし、積極的な広報に乗り出しているが、新型コロナウイルスの拡散防止が課題だ。拘束力のない首脳たちの宣言だが、パリ協定の時は2020年から5年ごとに各国が温室効果ガス削減目標(NDC)の提出を義務づけ、各国は自ら定めた削減計画を履行しなければならない。
P4Gソウル首脳会議、COP26は、当初は昨年開かれる予定だった。新型コロナの感染拡大で地球規模の気候変動への対応も1年ずつ遅れた。