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「最大激戦地」ソウルの市長起訴で…揺れ動く韓国の地方選挙構図

登録:2025-12-03 06:32 修正:2025-12-03 08:31
オ・セフン・ソウル市長が1日、ソウル蘆原区中渓本洞一帯で開かれた「ペクサ村住宅再開発整備事業」の起工式で祝辞を述べている/聯合ニュース

 来年の地方選挙を6カ月後に控え、野党第1党「国民の力」所属のオ・セフン・ソウル市長が政治資金法違反の疑いで起訴され、政界が大きく動揺している。最大激戦地ソウルの守城に自信を示していた国民の力が、選挙構図を揺るがす要因の登場に混乱している中、ソウル奪還のチャンスをうかがっていた与党「共に民主党」は「オ・セフン叩き」に乗り出した。

 国民の力は1日、オ市長に対する起訴は「民主党の下命を受けた政治特検の地方選挙介入用起訴」だとして反発した。パク・ソンフン首席報道担当は同日、論評を発表し、「(特検のオ市長起訴は)ソウル市政を揺さぶり、地方選挙に影響を及ぼそうとする露骨な政治工作であり、明らかな地方選挙介入だ」とし、「論理的矛盾と法的弱点だらけの、典型的な『政治企画捜査の標本』」だと主張した。

 党内では「予想した手順」としながらも、これまで合計で4期を務めた現役ソウル市長の「プレミアム」が脅かされることへの懸念の声があがっている。ある重鎮議員は「政治特検が何としてでもオ市長を起訴し、裁判まで持ち込むのはすでに予想されていたこと」だとしたうえで、「今回の地方選挙はソウルが最も重要だが、世論調査で支持率が高く出ているオ市長をどうにか揺さぶってみようということだろう」と語った。ある初当選議員は「(政治ブローカーの)ミョン・テギュンと絡んだこと自体で、オ市長のイメージ打撃が大きくならざるをえない。選挙が近づくほどに与党の攻勢が激しくなるだろう」とし、「(オ市長に代わる)対抗馬を探さなければならないが、なかなかいないのが最大の心配」だと話した。現在、国民の力ではナ・ギョンウォン議員、チョ・ウンヒ議員とハン・ドンフン前代表などがソウル市長候補群として取りざたされている。

 オ市長は「オ・セフン殺し」だとして出馬の意思を曲げないものとみられるが、政治資金法違反罪で罰金100万ウォン(約10万6千円)以上が確定すれば公職を失うことになる。イ・グァンジェ江原道知事は2011年、政治資金法違反の疑いで最高裁の有罪が確定し、就任から7カ月で辞職を余儀なくされた。イ知事は一審で懲役8カ月に執行猶予2年を宣告された状態で江原道知事に当選した。

 世論調査で劣勢である民主党は「オ市長叩き」に乗り出した。パク・チャンジン上級副報道担当はこの日、論評を発表し「オ市長はこれ以上公職という地位を盾にして法の上に立つことは許されない」とし、「もし選挙という民主主義を傷つけた責任があるならば、その結果も受け入れるべきだ」と主張した。ソウル市長出馬を宣言したパク・チュミン議員も「もし特検の捜査結果が事実なら、オ・セフン議員は『捏造された世論』の上に建てられた『偽市長』だ」と批判し、ソ・ヨンギョ議員も「遅すぎた起訴だが、特検の起訴は選挙不正犯罪の中心にオ・セフン市長がいたことを明確に示している」とし、直ちに辞任すべきだと主張した。チョン・ヒョンヒ議員が委員長を務める民主党の3大特検総合対応特別委員会も記者会見を開き、「特検の起訴容疑が事実なら、初めから違法な世論調査で市民を欺瞞して当選したオ市長は、選挙出馬どころか市長の資格さえない。当選5回の叶わない夢など見ず、直ちに市長から退くべき」だと述べた。

チャン・ナレ、キ・ミンド記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1232249.html韓国語原文入力:2025-12-02 17:42
訳H.J

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