ソウル市のオ・セフン市長が、2021年の4月のソウル市長補欠選挙時に、政治ブローカーのミョン・テギュン氏サイドに世論調査を依頼し、その費用を人に代納させていた疑い(政治資金法違反)で起訴された。政治資金法違反罪で罰金100万ウォン以上が確定すれば、公職を失うことになる。来年6月にソウル市長5選に挑戦するオ市長としては、暗礁に乗り上げるリスクを抱えることになった。
公認介入疑惑を捜査中のミン・ジュンギ特別検察官チームは1日、オ市長とオ市長の側近のカン・チョルウォン元ソウル市政務副市長、オ市長の後援者として知られる事業家のキム・ハンジョン氏を「世論調査費用代納疑惑」での政治資金法違反容疑で起訴した。オ市長は2021年のソウル市長補欠選挙の際、ミョン氏が事実上所有していたとされる未来韓国研究所に公表・非公表の世論調査を依頼し、後援者のキム氏に3300万ウォン(約350万円)を代納させていた疑いが持たれている。
特検チームは、オ市長の要請を受けたミョン氏が2021年1月22日から2021年2月28日の間に公表3回、非公表7回の計10回にわたって世論調査を行い、カン元副市長はミョン氏とアンケート用紙をやりとりするなど、世論調査について話し合っていたとみている。オ市長側が一種の「委託事業」として世論調査を未来韓国研究所に依頼し、その委託事業を未来韓国研究所の関係者であるミョン氏が遂行した、というのが特検チームの見方だ。特検チームは、事業家のキム氏が世論調査費用を代納するかたちで、オ市長とカン元副市長サイドに寄付をおこなったとみている。
特検チームはこの日の定例ブリーフィングで、「この事件の構図は、事業家であるキム氏がオ市長とカン元副市長に(費用の代納というかたちで)寄付をおこなったものであり、ミョン氏はその仕事を遂行した人物に過ぎないため、容疑者にはできない構図」だと説明した。
ミョン氏は先の検察による取り調べで、2021年1月22日のオ市長との電話で「ナ・ギョンウォンが勝つ世論調査が出てきた」、「ナ・ギョンウォンに勝つ世論調査が切実に必要だ」、「政治資金法違反のせいでキム・ハンジョンに世論調査費用2000万ウォンを借りに行く」などの話をされたと供述している。特検チームは、その当日にオ市長の自宅近くのソウル広津区(クァンジング)のある食堂でキム氏が決済したカードの内訳などを根拠に、ミョン氏の供述には信ぴょう性があると判断したという。この日、特検チームは「関係者の陳述だけでなく直接・間接的な証拠、物的・人的証拠などをすべて総合して十分に疑惑が立証されたと判断し、起訴した」と述べた。
しかしオ市長は「世論調査費用を代納させた事実はない」として、容疑を強く否認している。オ市長はこの日、本人名義の声明で「特検は法と良心を捨て、民主党の下命に従って決められた起訴を強行した」として、「詐欺犯罪者ミョン・テギュンのうそのみであって、証拠も実体もないため公訴維持の難しい事件に対して、あらかじめ結論を定めておいて、起訴理由をつぎはぎした」と批判した。続けて「1年2カ月捜査して私の8台の携帯電話をフォレンジックしたにもかかわらず、直接証拠はただの一つも見つかっていない」として、「まともな証拠が一つもない強引なつぎはぎ起訴、無罪が予定されている起訴」だと述べた。
※検察が起訴状で明らかにした容疑の内容は、裁判所の判決を経て最終的に確定します。