中国戦勝節80周年祝賀軍事パレードに出席するため、2〜5日に中国を訪問するウ・ウォンシク国会議長は、容易ではない課題を抱えている。軍事パレードの際に城楼でどの位置に立つか、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との遭遇や対話が行われるかどうかなどによって、韓中関係と南北関係の現住所が明らかになる可能性がある。
3日、北京の天安門広場で開かれる今回の軍事パレードで、韓国の国家儀典序列2位のウ議長の席は、中国の習近平国家主席から遠く離れた場所になる可能性が高い。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、北朝鮮の金正恩国務委員長のほかにも、イランやベトナム、パキスタン、カザフスタン、ラオス、モンゴル、ベラルーシなどの首脳が出席するからだ。10年前の2015年、中国戦勝節70周年行事に、当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領が習主席のすぐそばに立った一方、北朝鮮のチェ・リョンヘ朝鮮労働党書記は右端に配置されたが、そのような状況が今度は逆に再現される可能性もある。
中国の不快な視線も負担になる。当初、中国は李在明(イ・ジェミョン)大統領を招待する意向を明らかにしたが、政府は苦心の末にウ議長の出席を決めた。中国が「反米多極体制国際秩序」を披露する今回の軍事パレードに、米国と欧州諸国はほとんど出席しないが、韓国政府は韓米同盟を中心にしながらも、中国との関係もうまく管理していくという政策基調に基づき、中国に対する外交的配慮をしたのだ。だが、中国は韓米首脳会談の過程で「安米経中(安保は米国、経済は中国)は終わった」という李在明大統領の発言に対して不快感を示している。ウ議長は今回の訪中で、慶州(キョンジュ)で開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議への習主席の出席を要請すると共に、朝鮮半島の平和定着に向けた中国の建設的役割などに対する関心と協力を要請する予定だと、国会議長室は明らかにした。
ウ議長と金正恩委員長の意味ある出会いが実現する可能性も極めて低い。晩餐会などでウ議長と金委員長が偶然遭遇することもあり得るが、南北関係を「敵対的二国家」と規定した金委員長は、ウ議長との対話を拒否するものとみられる。ウ議長は2日、出国の際、記者団に「金正恩委員長に会うことを考えながら、訪中を決めたわけではない」とし、「会うことになれば、朝鮮半島の平和問題について話し合うだろうが、そのような機会があるかは分からない。現場に行ってみなければ」と述べた。