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東アジアを揺るがす1週間…中国に「反トランプ陣営」集結

登録:2025-09-01 06:29 修正:2025-09-01 07:24
SCO首脳会議に続き、戦勝節記念軍事パレード 
中ロ印と朝中ロ首脳会談、相次いで開催 
反米・非米陣営による多極化の試みの分岐点となるか
上海協力機構(SCO)首脳会議に出席するロシアのウラジーミル・プーチン大統領が31日、中国の天津に到着し、専用機から降りている/新華社・聯合ニュース

 31日、中国の天津で開幕した上海協力機構(SCO)首脳会議を皮切りに、9月3日の中国戦勝節80周年記念軍事パレード、5日のロシア東方経済フォーラムまで、「アメリカ・ファースト」を掲げたトランプ米政権主導の国際秩序に対抗する大型の外交イベントが相次いで開かれる。中国とロシアが主導する反米・非米陣営の多極化の試みが本格的に定着するかどうか、東アジアで繰り広げられる「激変の一週間」に注目が集まっている。

 この日天津で開幕したSCO首脳会議には、中国の習近平国家主席をはじめ、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、インドのナレンドラ・モディ首相、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領など、約20カ国の国家首脳と代表らが出席した。

 続いて、3日に北京の天安門広場で開かれる「中国抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利(戦勝節)」80周年記念軍事パレードには、プーチン大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が習主席と並んで見守ることになるなど、26カ国の指導者が出席する。朝中ロ首脳が初めて共にする歴史的イベントだ。特に、今回の軍事パレードは金委員長にとって初の多国間外交の舞台でもある。

 両行事で北朝鮮とインドが中国、ロシアとそれぞれどのような関係の変化を目指すのかが最大の関心事だ。ドナルド・トランプ米大統領就任以後、ウクライナ終戦をめぐる西側内の対立と交渉の膠着、トランプ関税戦争による米国とインドの関係悪化、ウクライナ戦争を機とした朝ロの密着などは、これらの国々の関係を再調整しているだけでなく、朝中ロ連帯も再構築している。

 朝中ロは今回の行事と会合を通じて、韓米日「同盟」に対抗する連帯で関係を強化できるかどうかを試す。2023年8月19日のキャンプデービッド3カ国首脳会議を機に韓米日が「3国同盟」のレベルに進化したことを受け、北朝鮮はウクライナ戦争を機にロシアと軍事同盟を復元した。今回は中国との関係強化を通じて朝中ロ連帯の枠組みを模索する見通しだ。

 公式日程はまだ公開されていないが、最も注目されるのは北朝鮮、中国、ロシアの首脳間会合だ。中国メディアは、軍事パレードの前後に金委員長と習主席が別途会談する案を調整中だと報じた。ロシア大統領府のユーリ・ウシャコフ外交担当補佐官も「プーチン大統領と金委員長の2国間会談の可能性を現在検討している」と明らかにした。

 インドの変針も目を引く。モディ首相は同日、習主席との会談で、信頼と尊敬に基づいた2国間関係の進展を誓った。モディ首相は7年ぶりの中国訪問を、米国側に傾いていた対外政策を中ロ側へと重心移動し、伝統的な等距離外交に復元するきっかけにしている。インドはロシアの石油購入を理由にトランプ政権が25%の2次関税など計50%の関税を27日に発効したことを受け、中ロとの関係強化で対応している。

 プーチン大統領は異例の4日間の中国訪問で10カ国余りと2国間会談を行い、ウクライナ戦争以降最も活発な外交活動を展開する。5日からはウラジオストクで開かれる東方経済フォーラム(3~6日)に出席し、80カ国余りの代表らと会談を続ける。プーチン大統領は8月15日のトランプ大統領とのアラスカ米ロ首脳会談で、西側陣営でも対話の相手として復帰した勢いに乗り、グローバルサウス陣営で影響力の拡大を目指している。30日、中国の新華社通信との会見で、プーチン大統領はSCO首脳会議で「共有するユーラシア空間全域で連帯を強固にする」とし、「このすべてはより公正な多極化秩序作りに役立つだろう」と述べた。

 中国は今回の行事で、ロシアとの友好関係の拡大、インドとの関係改善、北朝鮮との友好再確認などを行い、グローバルサウス陣営内での指導力と米国に対抗する影響力の確保を図っている。SCO首脳会議や戦勝節行事は歴代最大規模で行われる。習主席はSCO首脳会議に先立ち、声明で「SCOは強固な枠組みとして成熟し、強い活力に満ち溢れている」とし、「これは新たな形の国際関係の例を作った」と評価した。中国が同機構を非西欧新興経済国連合体であるBRICSとともに、米国主導の国際秩序に代わる多極化秩序の枠組みにすることを目指すという意味だ。

 今回のSCO首脳会議では「天津宣言」を採択し、安全保障の挑戦および脅威に対処する「世界センター」の創設に合意する。このセンターはウズベキスタンの首都タシュケントに設置される。

チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1216183.html韓国語原文入力: 2025-08-31 22:04
訳H.J

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