韓国の今年の気候変動への対応は、昨年より4ランク順位が下がり、主要国64カ国のうち後ろから4番目を記録した。韓国は2日前の6日(現地時間)、アラブ首長国連邦で開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で、国際環境団体が気候対応の進展を妨げる国に与える「今日の化石賞」も受賞しており、環境破壊の「気候ならず者国家」というイメージが固着化すると懸念される。
国際気候変動政策分析専門機関である「ジャーマンウォッチ」と「ニュー・クライミット研究所」、「クライミット・アクション・ネットワーク(CAN)インターナショナル」が8日(現地時間)、アラブ首長国連邦ドバイで発表した主要国の気候変動対応指数(CCPI)の評価で、韓国は欧州連合(EU)を含む64カ国のうち61位を記録した。ただし、これらの機関が評価対象の中で1~3位を達成したと言えるほどの国がないという理由で、4位から67位まで順位を付け、韓国の公式順位は64位になった。韓国より立ち遅れている国はアラブ首長国連邦とイラン、サウジアラビアの3カ国だけ。3カ国とも化石燃料と利害関係が深く、高い点数を取りにくい産油国である弱点を抱えている点を考えると、韓国は事実上の最下位といえる。
CCPIは各国の温室効果ガス排出量とエネルギー使用、再生可能エネルギー使用、気候政策の4分野の成果を計量化したもの。ジャーマンウォッチなどは2005年から全世界の温室効果ガス排出の90%に責任がある64カ国の指数を算定し、順位を発表してきた。
韓国の順位が昨年より4段階も下がった最初の理由としては「2030年再生可能エネルギー目標の下方修正」が挙げられた。韓国は今年1月に発表した第10次電力需給基本計画で、2030年に30.2%となっていた従来の再生可能エネルギー発電比重目標を21.6%に縮小した。また、石油やガスなど化石エネルギーに対する持続的な公的金融支援をはじめ、山林破壊や生物多様性の損失をもたらすバイオマスの使用増加も理由として指摘された。産業資源通商部と山林庁のバイオマス支援政策によって、韓国のバイオマス発電量はこの10年間で42倍も増加した。
韓国の気候変化政策専門機関の「気候ソリューション」は、「バイオマス発電は持続可能な炭素中立の履行手段ではないという指摘を受けてきたにもかかわらず、韓国ではバイオマスが太陽光や陸上風力よりも高い新再生可能エネルギー供給認証書(REC)の加重値を受けて、クリーン再生可能エネルギーを抑制する役割を果たした」とし、「これが結局、韓国の気候対応指数を下げる要素になった」と明らかにした。
一方、今回の評価でCCPIの最上位圏である4~8位には、デンマーク、エストニア、フィリピン、インド、オランダの順で名を連ねた。インドは温室効果ガスの主要排出国だが、相対的に低い1人当たりの温室効果ガス排出量とエネルギー消費量を基に野心的な再生可能エネルギー拡大計画を示し、高い評価を受けた。昨年最大の温室効果ガス排出国である中国は、韓国より10ランク上の51位、米国と日本は並んで57位と58位を記録した。
気候ソリューションのキム・ジュジン代表は「政府と国会は気候危機対応に主導的に乗り出して再生可能エネルギー拡大を支援し、公的資金の化石燃料投資を終え、気候危機に対応する公的金融の役割を生かすことで、国際的な気候リーダーシップを示さなければならない」と語った。