韓国の与党「国民の力」と政府は、日本による福島原発汚染水の海洋放出への対応策として、海洋の放射能調査地点を2倍以上拡大し、水産物の大型委託販売場43カ所で流通前の国内産の全魚種に対する検査システムを構築する案をまとめた。野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表は原発汚染水を「核廃水」と称し、政府が国民を欺いていると批判した。
政府与党は18日、ソウル鍾路区三清洞(サムチョンドン)の首相公館で政府高官と党幹部による協議会を開き、海洋の放射能調査地点を従来の92カ所から200カ所に拡大し、セシウムとトリチウムの濃度分析周期を現行の1~3カ月から隔週単位に短縮することにした。また、水産物の委託販売の80%以上を占める大型委託販売場43カ所に流通前の国内産の全魚種に対する検査システムの構築を進めることにした。政府与党はまた、水産業界に緊急経営安定資金を支援することにした。これらは福島原発汚染水対策に対する世論の不信感を意識した措置とみられる。韓国ギャラップが16日に発表した世論調査結果によると、福島原発染水の海洋放出問題に対する不満が尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の職務遂行を評価しない理由の2位に挙げられた。
民主党は批判を強めている。イ・ジェミョン代表は17日、仁川市の富平(ブピョン)駅近くで開かれた「福島原発汚染水の海洋投棄反対・糾弾大会」に参加し、「核物質にさらされ、それらを含んで流れる地下水は明白に核廃棄物だ」としたうえで、「(国民の力が)『核汚染水』だと(言った民主党関係者を)告発するというから、これからは『核廃水』と呼ばせてもらう。国民が任せた権力で国民をだまし、脅し、生命と安全を脅かす行為をするなら、国民の代理人の資格がない」と述べた。
一方、政府与党は「釜山(プサン)回し蹴り強姦殺人未遂事件」を機に進められている重大犯罪者の身元公開の拡大に関する法案を速やかに法制化することにした。特に、既に党が検討した「女性・児童対象強力犯罪」などをはじめ「内乱、外患、テロ、組織暴力、麻薬」などの重大犯罪と、起訴された状態の被告人まで身元公開の対象に含めることにした。