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「労災による自殺」3人に1人は過労が原因…3番目に多いのは職場内いじめ=韓国

登録:2022-12-20 09:20 修正:2022-12-20 12:29
2019~2021年の労災承認判定書161件を分析
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 Aさんは2017年7月、勤めていた情報通信(IT)企業の運営関連業務で、重点課題を管理し企画の責任を負う幹部に昇進した。その後、仕事量が爆発的に増えた。1日に12時間以上、1週間に60時間以上働かなければならなかった。午前8時20分ごろに出勤し、遅いときには午後11時か12時ごろに退勤した。

 配偶者には「自分がほとんど毎日一番遅く退勤する。夜は事務所の電気を消して携帯電話のライトで仕事をしている」とも話した。また、本部の仕事のやり方があまりにも非合理的で非効率的なのでつらいと訴えた。仕事があまりに大変なので、本部長に職の変更を要請したが、受け入れられなかった。

 Aさんは2019年3月、自宅のトイレで自ら命を絶ち、遺体で発見された。昨年、勤労福祉公団疾病判定委員会は、Aさんの死は業務上の死亡だとし、労災であることを認め、遺族に遺族給付金と葬儀費を支給するよう判断した。

 Aさんのように過労や職務ストレスなどを理由に自ら命を絶った人の遺族が、労災を申請し承認を受ける事例が増加している。市民団体「職場パワハラ119」と基本所得党のヨン・ヘイン議員室が2019年から2021年までの3年間の労災申請資料を分析した報告書によれば、自殺により労災を申請したケースは2019年の72件から昨年の158件へと倍以上に増加したことが分かった。このうち、労災と認められた事例は2019年の47件から2021年には88件に増えた。

 この3年間に遺族が労災を申請して承認を受けた196件のうち、職場パワハラ119が勤労福祉公団から資料を受け取った161件の業務上疾病判定書を分析した結果、労働者を自殺に追い込んだ最も大きな理由はAさんの事例のような過労だった。161件のうち過労による死は58件(重複事由を含む)で、161件のうち36%にのぼった。

 その次は懲戒および人事処分(52件、32.3%)で、職場内いじめも48件で29.8%にも上った。続いて暴行(7件、4.4%)、セクハラ(4件、2.5%)の順だった。

 このような労災申請および承認件数が増えたのは、過労や職場内いじめなどが労働者を死に至らせるほど深刻な社会暴力という認識が高まった影響と読み取れる。報告書の作成に参加したチェ・スンヒョン労務士は「過労と懲戒および人事処分、職場内いじめなどが同時に(労災原因として)重複作用するケースが多かった」とし、「職場内いじめが、他の事件や自殺の要因と連係して作用していることが分かる」と話した。

 労災と認められる自殺被害は、勤続年数が短いほどさらに集中する傾向が現れた。死亡者の半分(50%)が5年以下の勤務者だった。過労による死亡の場合、全58件のうち勤続5年以下の人が37人で63%にのぼった。範囲を勤続10年以下に広げれば、44人(75%)に達する。職場内いじめ被害による死亡者の56.3%(27人)も勤続5年以下だ。

 報告書は「故人の遺族が(配偶者や子どもではなく)両親である場合が22%にもなることから、労災で自殺した労働者のうち、若い労働者が相当を占めるものとみられる」とし、「職場で勤続年数が短く若い労働者に対する特別な保護が必要だ」と指摘した。職場パワハラ119とヨン・ヘイン議員室は、自殺労災被害の現況と対策を議論する討論会を21日にソウル汝矣島(ヨイド)の国会議員会館で開く。

チョン・ジョンフィ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1072305.html韓国語原文入力:2022-12-20 07:18
訳C.M

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