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尹大統領流の過労社会?…韓国「週92時間労働」時代が来るか

登録:2022-06-24 11:11 修正:2022-06-24 13:10
労働部、労働市場改革案を発表 
延長労働の限度を週単位から月単位に変更 
1カ月分を1週間に集めれば、92時間労働も可能 
勤務日の間の「11時間連続休息」抜け 
賃金体系、号俸から成果給制への変更も
雇用労働部の労働市場改革推進案によれば、1週間の最大労働時間が92時間(基本40時間+延長労働52時間)まで可能になる=ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が労働市場改革の必要性を強調し続けてきたなか、雇用労働部が労働時間・賃金体系の改編などが含まれた「労働市場改革推進方案」を発表した。労働部は時代の流れに合わせて雇用労働システムを「現代化」するという立場だが、延長労働時間の精算単位拡大など、企業の要求を大幅に受け入れたものであり、今後の推進過程で大きな議論を呼ぶものとみられる。

 23日の労働部の発表資料によると、労働部は現在週12時間と規定された延長労働時間の限度を「月単位」で管理する方案を検討すると明らかにした。現在週12時間まで可能な延長労働時間を月単位に換算すれば、約52時間(12時間×4.345週間)で、月に割り当てられた延長労働時間を一週間にまとめて行う場合、1週間の最大労働時間が92時間(基本40時間+延長勤労52時間)まで可能になる。尹大統領が候補時代に「週120時間みっちり働けるようにもしなければならない」と言った言葉が、現実になりうるということだ。

 これに対してイ・ジョンシク労働部長官は同日午前、政府世宗庁舎で開かれたブリーフィングで「健康権保護に関する措置は当然行う。(勤務日の間に)11時間連続休息の導入などを検討する」としながらも、「専門家に研究を依頼する立場なので、政府が立場を明らかにするのは難しい」と述べた。例えば、午前0時に退勤した場合、翌午前11時以降に出勤する形で勤務日の間に11時間連続休息を導入すれば、長時間勤務から労働者の健康を保護できるという趣旨だ。しかし、これは公式の報道資料に含まれていない検討事項にすぎず、実際に導入されるかどうかは未知数だ。この他にも延長労働時間を休暇で補償する「労働時間貯蓄口座制」導入、選択的労働時間制の精算期間拡大、スタートアップ・専門職の労働時間の規制緩和案も検討すると明らかにした。

雇用労働部のイ・ジョンシク長官候補(当時)が5月、ソウル汝矣島の国会で開かれた人事聴聞会で議員らからの質問に答えている/聯合ニュース

 朴槿恵(パク・クネ)政権時代に積極的に推進し、労使・労政関係の悪化を呼び起こした職務・成果中心の賃金体系の改編も、主要推進課題に含まれた。号俸制を職務給・成果給に変えるということだ。労働部はこれまで賃金体系の改編がなされなかった理由を「労使合意の難しさ」とし、「現場の困難を解消するための政策的、制度的解決課題はないか検討する」と明らかにしてきた。

 労働部は労働市場改革の必要性を再び言及しながらも、制度の具体的な内容は、専門家で構成された「未来労働市場研究会」での議論を経て立法・政策課題を出すという方針だ。この研究会は、来月から10月までの4カ月間運営される予定だが、議論の結論は事実上、尹大統領の公約と「新政府経済政策方向」などにすでに収録されており、労働界では「研究会運営は名分づくりにすぎない」という批判も出ている。

 民主労総は論評を通じて「週52時間制を無効にし、労働時間を無限大に増やせるよう労働時間の柔軟化拡大、使用者の成果評価権限と賃金低下のための職務成果給制の拡大、そのための労働者間の摩擦を助長する」ものだと指摘し、「労働担当部署長官としての所信と専門性が見られない」と批判した。

 チュ・ギョンホ副首相兼企画財政部長官はこの日、第2次非常経済長官会議を開き、労働時間と賃金体系を改編する「労働改革」にドライブをかけると明らかにした。16日に発表された新政府経済政策方向の5大部門の構造改革のうち、労働市場は「先送りできない課題」として最優先に挙げられた。

 チュ副首相は「最近の高度化・多辺化した経済と産業の構造に照らしてみれば、製造業中心の産業化時代に形成された労働規範と慣行は、もはや体に合わない服のようなものだ」とし、「経済の現実と乖離した労働市場構造を放置することは、国家の競争力と躍動性をむしばみ、何より若者と未来世代の機会を奪うことだ」と述べた。チュ副首相はまた「社会的対話を通じて、多様な労働市場の改革課題を幅広く議論する計画」だとし、「一方の犠牲と譲歩ではなく、企業と労働者、現在と未来世代の皆のための代案を共に模索していく」と付け加えた。

パク・テウ、イ・ジヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1048191.html韓国語原文入力:2022-06-24 02:41
訳C.M

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