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尹政権、捜査・監査機関総動員し「文在寅政権の粗探し」…「支持率回復」狙うか

登録:2022-07-08 06:36 修正:2022-07-08 10:13
国情院、監察審議官を新設 
派遣検事が前・元院長の告発を主導 
監査院と検察でも同時多発的に監査 
「支持率危機の転換狙うのか」批判
尹錫悦大統領が今月7日午後、ソウル中区大韓商工会議所で開かれた「文化未来レポート(Munhwa Future Report)2022」に参加、祝辞を述べるため演壇に向かっている/聯合ニュース

 国家情報院や監査院、検察、警察などが文在寅(ムン・ジェイン)政権時代の事件に対する内部監察や監査、捜査を同時多発的に進めている。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が大統領選候補時代から公言してきた前政権に対する粗探しが本格化している。

 国情院は尹錫悦政権発足後、「監察審議官」を新設し、チェ・ヒョク大邱西部支庁副部長検事を起用して厳しい内部監察を進めていることが、7日に確認された。チェ審議官は監察業務を担当しており、6日に行われたパク・チウォン前国情院長とソ・フン元国情院長に対する告発も監察審議官室が主導したという。監察審議官室はこの他にも、文在寅政権時代に行われた数回の首脳会談の過程で、北朝鮮に金品が渡されたり、不適切な接触がなかったかを調べているという。「民主社会のための弁護士会」副会長出身のイ・ソクポム弁護士が文在寅政権時代に国情院監察室長に起用され、まだ任期が残っているが、イ室長は新政権発足後、業務から排除された。

 監査院も前政権の疑惑に対する全面的な監査に乗り出している。海洋警察庁と国防部が、2020年9月の西海(ソヘ)公務員殺害事件と関連して「越北(北朝鮮に渡ること)推定」という当時の発表を覆した直後の先月17日、監査院はこの事件に関する監査に着手するとして、与党の真相究明攻勢に歩調を合わせた。与党「国民の力」がハン・サンヒョク放送通信委員長の辞任に対する圧力を強めた先月22日には、放送通信委員会に対する定期機関監査が始まった。ホン・ジャンピョ前韓国開発研究院(KDI)院長が自ら辞任することにも、監査院が実地(現場)監査のための機関運営全般に対する資料提出を要求したのが決定打となった。監査院関係者は「議論になった事案のほとんどは年間監査計画に従ったもの」だとし、政治的な意図はないと釈明した。

 検察は早くから文在寅政権の「産業部ブラックリスト」捜査を進めている。国情院と監査院が渡した事件を刑事処罰ができるようにするのも検察の役目だ。検察は同日、パク・チウォン前国情院長告発事件をソウル中央地検公共捜査1部(イ・ヒドン部長)に、ソ・フン元国情院長告発事件を公共捜査3部(イ・ジュンボム部長)に割り当て、本格的な捜査を始める準備を整えた。大統領室関係者は同日、「公務員殺害事件について、自主的な越北というフレームを国家がかぶせようとし、また、脱北した漁師も憲法が規定する大韓民国国民であるにもかかわらず北朝鮮の立場を先に考慮し、脱北漁師の人権を侵害したとすれば、これは重大な国家犯罪だ」とし、「検察の捜査を注視している」と述べた。強度の高い捜査を後押ししたわけだ。警察もまた、大々的な家宅捜査を通じて、共に民主党のイ・ジェミョン議員が関わった柏ヒョン洞(ペクヒョンドン)開発、大統領選候補時代の秘密選挙陣営、妻のキム・ヘギョン氏の法人カード流用疑惑を捜査中だ。

 尹錫悦大統領が「民主党政権時代には(前政権に対する捜査を)しなかったのか」と反問するなどをはじめ、与党は「文在寅政権の明らかな過ちを見過ごすわけにはいかない」とし、捜査の正当性を強調している。しかし、捜査・監査機関が総動員された一糸乱れぬ攻勢は、企画された監査と政治報復につながる可能性が高いという声もあがっている。「時代精神研究所」のオム・ギョンヨン所長は「国情院が公開的に前職院長を告発したため、『企画された』という誤解を招く素地がある」と述べた。慶煕大学フマニタスカレッジのキム・ユンチョル教授は「国民の暮らしの危機が高まっている中、検察総長出身の尹錫悦大統領が捜査・監査機関を動かして支持率下落の局面を切り抜けようとしているのではないかと疑われる状況」だと指摘した。

ソ・ヨンジ、チョン・インファン、イム・ジェウ、ペ・ジヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1050129.html韓国語原文入力:2022-07-08 03:53
訳H.J

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