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韓国の貨物連帯、7日から一斉スト「安全運賃制のサンセット条項廃止」

登録:2022-06-07 03:42 修正:2022-06-07 07:59
尹錫悦政権発足後、初の大規模ストライキ 
政府「違法行為に対しては厳正な措置を取る」 
2003年や2007年のようにストが1~2週間続く可能性も
民主労総公共運輸労組・貨物連帯の一斉ストライキを翌日に控えた6日午前、ソウル陽川区の西部貨物ターミナルに駐車してある車に一斉ストの横断幕が掲げられている/聯合ニュース

 全国民主労働組合総連盟の全国公共運輸社会サービス労働組合・貨物連帯本部(貨物連帯)は、貨物運転手の最低賃金制に当たる「安全運賃制のサンセット条項(制度などであらかじめ適用期間が定められた条項)廃止および拡大適用」を要求し、無期限ストライキを開始する。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足後、初の大規模なストライキだ。政府は違法行為に厳正に対応するとの意思を明確にしており、貨物連帯と政府との鋭い対峙が予想される。

 貨物連帯は7日0時から、コンテナやセメントなどの貨物輸送を拒否する無期限ストライキに突入することを6日に明らかにした。7日午前10時から、釜山(プサン)、仁川(インチョン)、群山(クンサン)、光陽(クァンヤン)などの港湾と、全国の16の主な貨物物流拠点で出陣式を行い、輸送拒否と代替輸送阻止闘争を行う方針だ。貨物連帯は一斉ストライキ決議で「安全運賃制のサンセット条項廃止法案が上程されて以降、1年6カ月間にわたって政府・国会と数多くの折衝を重ね、制度の拡大なしには道路の安全は保障できないと説得してきたが、政府は無回答によって責任を放棄した」とし、「貨物連帯は生存のためにこの時間をもって物流を止める」と表明した。さらに貨物連帯は、安全運賃のサンセット条項の廃止▽安全運賃制の全品目への拡大▽運送料の引き上げ▽持ち込み制の廃止▽労働基本権の拡大という5つの要求案を発表した。安全運賃制とは、貨物輸送にかかる費用を総合的に考慮して適正な運賃を決める制度だ。

 ストに参加する貨物連帯の組合員は2万5000人あまりで、全国に42万人いる貨物運転手の6%ほど。だが、コンテナトレーラーやセメント輸送車の運転手は貨物連帯組合員の比率が高いため、物流全体に大きな影響を及ぼすものとみられる。加えて最近はガソリンの値上がりで、車を運行するほど損害が大きくなっていることから、非組合員をも糾合しつつある。そのため今回のストは、7~14日間続いた2003年と2007年の水準に達するという見通しも示されている。貨物連帯のキム・ジェグァン教育宣伝室長は「燃料価格の高騰にともなう貨物労働者の不満も極限に達しているため、非組合員も貨物連帯のストに合わせて『車を止める』という意思を伝えてきている」とし、「現在、安全運賃制は一部の品目(コンテナとセメント)だけに適用されているが、そばで安全運賃制の効果を見た他品目の労働者も、安全運賃制の拡大を求める声が強くなっている」と述べた。この日、韓国石油公社の原油価格情報ウェブサイト「オピネット」の資料を確認すると、昨年6月第1週の軽油価格は1リットル当り1351ウォンだったが、今年6月第1週は2008ウォン(約210円)で、48.6%も上昇している。

 こうした中、政府は「違法行為の厳正対応」を強調している。スト参加者が他の貨物車の通行を妨害した場合、国土交通部は運転免許の取り消しなどの「不寛容原則」で対応し、警察は関係者を現場で検挙する方針だ。大統領室も6日、「違法には法と原則に則って対応する」と表明した。

 一方、国土部は物流に支障が出るのを防ぐため、輸送対策に乗り出した。この日、国土部のオ・ミョンソ第2次官は「(軍車両などの)利用可能な資源を総動員し、輸送拒否(スト)に参加しない貨物車主を支援する。非常輸送対策を支障なく実施する」と述べた。

パク・テウ、チョン・ホソン、ペ・ジヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1045864.html韓国語原文入力:2022-06-06 15:34
訳D.K

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