26日、憲法裁判所の合憲決定で寿命が延長された刑法第314条「業務妨害罪」は、労働者の争議行為を弾圧するために作られ、実際にそのように運用されてきたものだ。経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で労働者のストライキを刑事上犯罪疑惑で弾圧する国は韓国が唯一だ。国際社会から制度改善の必要性を絶えず指摘されてきた。
韓国の刑法における業務妨害罪は、日本が植民地朝鮮を弾圧するために持ち込んだ朝鮮刑事令に由来する。朝鮮刑事令は「使用者である日本が労働者である朝鮮人のストライキなど争議行為を阻止する」という目的を明確にしていた。第2次世界大戦の敗戦後、日本では争議行為に適用される業務妨害罪が死文化されたが、韓国には依然として労働弾圧の道具として活用されてきた。国際労働機構(ILO)は数回制度改善を勧告したが、韓国の立法府と司法府はびくともしなかった。
ところが、2011年、変化の兆しが見え始めた。ヤン・スンテ元最高裁長官時代、最高裁(大法院)全員合議体は「使用者の予測できない時期に電撃的に(ストライキが)行われ、莫大な損害を与えた場合」にのみ業務妨害疑惑を適用できるとし、厳格な判断基準を示した。現代自動車の非正規労組は、このような全員合議体の判断が出た翌年、業務妨害罪を規定した条項が違憲だとし、憲法訴願を提起した。最高裁の地位を巡り憲法裁を牽制した「ヤン・スンテ司法府」は、2015年当時、憲法裁の裁判官評議内容を把握し、内部報告書を作成したが、「憲法裁が限定違憲決定を下そうとしている」という内容だった。しかし、その後7年ぶりに出された決定でも、「6人」という憲法裁の違憲定足数の壁を越えることができなかった。
韓国国会は昨年2月の本会議で、強制労働禁止関連協約(第29号)を含め「ILO基本条約」の一部を批准しており、今年4月から効力が発生した。今回は違憲定足数は越えられなかったが、5人の憲法裁判事が「ストライキそのものを刑事処罰の対象とすることは、事実上労働者の労務提供義務を刑罰として強制するもの」だと宣言した。国内法に準ずる効力を持つILO基本条約に基づき、立法府の法制度整備が求められるのもそのためだ。