高位公職者犯罪捜査処(公捜処)のキム・ジヌク処長が「現政権でも生きている権力を公正に捜査する」との考えを明らかにした。
キム処長は16日午前10時、京畿道の政府果川(クァチョン)庁舎において新政権発足後初めて行われた記者懇談会で、「現政権とどのように関係を設定するのか」との問いに対し、「政府や与野党の入れ替わりとは関係なしに、公捜処には生きている権力を公正に捜査せよとの使命感がある。聖域なしに捜査するのが公捜処の存在理由」とし「そのようなもののせいで不利益も被ったため、誰よりもこのような面についての尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の理解度は高いと考える」と語った。
発足後に発生した捜査力不在問題、広範な通信資料照会問題に対する責任を痛感するとの考えも明らかにした。キム処長は、「国民のみなさまをいろいろと失望させ、当然責任を痛感する。制度設計が誤っており人材不足であっても、もう少し良い姿をお見せするべきだった」と語った。ジャーナリストなどに対する広範な通信資料照会問題についても「適法性に問題はないが、適正性の観点からすでに謝罪している」とし「痛恨の試行錯誤として受け入れ、留意しつつ進める」と述べた。
キム処長は懇談会中、何度も「人材不足に対する増員の必要性」を強調した。捜査対象の高位公職者は7000人を超えるにもかかわらず、公捜処の人員の規模は検察の「南楊州(ナミャンジュ)支庁」ほどに過ぎないため、捜査力が足りないというのだ。現在の公捜処の検事は処長と次長を含めて25人で、捜査官は40人、一般職員は20人。キム処長は「実質的に制度が作動するためには、検事の増員が必ずなされなければならない。検事は少なくとも『3桁』になるべき」と述べた。
ただし、公捜処で実施中かすでに実施した捜査については多くを語らなかった。同氏は「『判事査察文書疑惑』の被疑者である尹錫悦大統領に対する捜査は可能か」との問いには「法と原則に則って捜査する」と答えた。「告発教唆疑惑」についての問いにも「(捜査結果の発表で)すでに回答がなされた事項」と答えるにとどまった。