韓国政府は早ければ今週中にも、新たな社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)調整案とともに「ポストオミクロン対応システム」を発表する。内容は屋内での飲食、マスク着用、隔離、営業制限などに関するもので、日常に大きな変化をもたらすことになるため、注目が集まっている。
10日の中央災害安全対策本部の話を総合すると、ポストオミクロン対応システムなどには、日常回復に関する具体的な方策が盛り込まれるとみられる。キム・ブギョム首相は1日、「今後2週間の流行が確実に減少へと転じ、重症患者数と医療システムが安定的な水準を示せば、『屋内でのマスク着用』などの中心的な規則を除いた営業時間、私的な会合、大規模な行事などの、あらゆる措置の解除を検討する」と明らかにしている。10日午前0時現在で、一日の新規コロナ感染者数は16万4481人で、2日連続で10万人台。死者数は329人で、300人台は5日連続。重症患者数は1114人で、前日(1099人)より15人増えた。以下では、政府がどのような内容を検討しており、その内容が日常にどのような影響を及ぼすのかをまとめた。
感染者隔離なくなる?治療費補助も調整の可能性
感染者の隔離期間が短縮されるか、隔離自体が縮小される可能性がある。政府は現在、オミクロン株への感染が確認された場合、7日隔離し、医療陣などの必須業務人材に限って隔離を3日のみとすることを許可している。しかし、政府が現在は1等級であるコロナの法定感染症等級を下方修正すれば、感染者の隔離期間が短縮されたり、隔離自体が廃止されたりする可能性もある。1級感染症は2~4級に比べて高い水準の隔離を行うことになっており、発見後すぐの申告が義務化されている。等級の調整でこのような指針が変更される可能性があるわけだ。感染者への政府による治療費補助も減る可能性がある。現在はコロナなどの1級感染症と一部の2級感染症の隔離に対してのみ、政府は治療費を全額補助している。
屋内飲食制限が緩和、屋外でのマスク着用基準も変更か
近いうちに屋内競技場・公演場での飲食が認められる可能性がある。大統領職引き継ぎ委員会は8日、「他の野球場とは異なり高尺(コチョク)ドーム競技場は屋内競技場であるという理由のみで、空調システムが整えられているにもかかわらず飲食が禁止されている。このような防疫指針は現実に合わせて見直さなければならないと提起した」と明らかにしている。防疫当局もこの内容について、「改善策をまとめる予定だ」と説明している。
屋外でのマスク着用の緩和が言及される可能性もある。当初、政府が「屋内でのマスク」を除いた防疫緩和に言及したことで、「屋外でのマスク」着用規定は緩和されるのではないかという見方も出ていた。ただし可能性は限定的だ。中央事故収拾本部のソン・ヨンレ社会戦略班長は6日に「マスクを解除するかどうかは優先順位の高い分野ではない」との立場を明らかにしている。
営業時間制限と会合制限は全面解除か
17日以降に営業時間制限と私的な会合の規制が全面解除される可能性がある。現行の「私的な会合は10人まで、営業時間は12時まで」とするソーシャル・ディスタンシングは17日まで維持される。現行のソーシャル・ディスタンシングを発表して以降、政府は、状況が安定的に管理されればさらなる緩和を実施する可能性があることを示唆してきた。
ソン班長は6日のブリーフィングで、「危険な変異株が発生してソーシャル・ディスタンシングを再び強化することになろうとも、現在の防疫状況を重点的に考慮しながらソーシャル・ディスタンシングを解除する措置が必要な時に来ている」と述べている。
高危険群診療システムなども変化する可能性
一方、保健所の選別診療所と臨時選別診療所が提供するコロナ迅速抗原検査は11日から中止される。満60歳以上の高齢者、疫学的関連性のある人(濃厚接触者、隔離解除前検査を受ける人、海外からの入国者)、療養型病院などの感染脆弱施設の先制検査を受ける人、自己検査キットまたは迅速抗原検査で陽性だった人などは、現在のように保健所でPCR検査を受けられる。検査が必要なその他の人は、呼吸器専門クリニックまたは呼吸器診療指定医療機関に行き、迅速抗原検査を受ければよい。