韓国の防疫当局が新型コロナウイルス感染症患者の自宅療養期間の見直しを検討していると明らかにした。一般医療体制への転換過程で、現行の7日と義務付けられている隔離期間を縮小する可能性を示唆したのだ。
4日、中央事故収拾本部(中収本)のパク・ヒャン防疫総括班長は保健福祉部のブリーフィングで「自宅療養対象者に対する隔離期間(の見直し)などを考えている」とし、「疾病管理庁を中心に論議が進められている」と明らかにした。現行の方針では、新型コロナ感染者と診断された人はワクチン接種歴にかかわらず、検体採取日から7日間隔離しなければならず、これによって自宅療養も7日間行われる。隔離期間中は外出が禁止され、後で隔離場所の離脱が確認された場合、法的措置が行われる。
一部の海外諸国は自宅隔離の義務方針を縮小している。英国は今年2月、法的に自宅隔離の義務を廃止し、5日に隔離勧告に方針を変えた。米国は昨年12月、自宅隔離期間を5日に短縮し、その後5日間は外部活動でマスクを着用するよう指針を変更した。自宅療養期間の変更に関する質疑に対し、パク班長は「これまで一般対面診療をするにあたって、集中管理群と一般管理群に対する移動問題など困難があった」とし、「一般診療体制に完全に転換するため、対面診療などを考慮し、(隔離期間の縮小について)考えられていると思う」と説明した。今月1日、中収本のソン・ヨンレ社会戦略班長は中央災害安全対策本部のブリーフィングで、2週間後に室内マスクを除いた主な防疫守則の解除を検討すると発表し、「7日間の自宅隔離は防疫体制において最も根本的な管理策であるため、別の議論で扱われるべきだと思う」と答えた。
専門家らは、まだ感染拡大の勢いが安定していない状況で、自宅療養期間の短縮は防疫の危険要素になりかねないと懸念している。特に防疫当局は、オミクロン株の感染者の場合、症状発現後最大8日まで感染性ウイルスを排出すると発表したことがある。中央防疫対策本部(防対本)のイ・サンウォン疫学調査分析団長は先月17日、「オミクロン株の症状が現れてから14日以内に、検体558件を対象に感染の可能性を調査した結果、感染性ウイルス排出期間は最大で8日までだった」と発表した。
対外経済政策研究院のチャン・ヨンウク副研究委員は「7日だけでなく10日から2週間まで感染力が維持される人もたまに存在する」とし、「そうした人たちの拡散リスクを踏まえたうえで、体制を転換するかどうか、検討が行われていると思う」と述べた。チャン研究委員は「まだ流行の状況がどうなるか分からないめ、転換するのは時期尚早だと思う」とし、「(英国などと違って)病気でも学校や職場に行かなければならない社会的雰囲気など、制度的にうまく支えられていないため、まだ政府が隔離期間を義務付けて制度的支援をする必要がある」と述べた。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は「防疫当局がさまざまな研究結果を通じて、(隔離期間を)7日と決めていたが、それより短く設定できるという根拠はまだ見たことがないため、危険なこともあると思う」とし、「例えば、新規感染者が10万人以下に減り、高危険群の感染者の絶対数が減るなど、減少傾向が確実な状況になった時に決めた方が良いと思う」と語った。高麗大学医学部のチョン・ビョンチョル教授(予防医学科)は「「『他の国がやっているから、我々もやらなければならない』ではなく、韓国で集計したところ、『5日以降は2次感染者がいない』という根拠が必要だ」とし、「根拠もなく決定してはならない」と述べた。
長期的には隔離条件を緩和する方向で見直しを考えるべきという意見もある。チャン副研究委員は「英国や北欧は病気の人だけ治療を受ければいいという考えから、感染が判明しても隔離を義務化しない」とし、「個人の症状によって本人が治療を受けるかどうかを選択する形だが、長期的にはこうした方向に切り替えるのが正しいと思う」と述べた。カトリック大学医学部のペク・スニョン名誉教授(微生物学教室)は「14日から7日に短縮する時も(懸念は)同じだった」とし、「7日間隔離したからといってウイルスがなくなるわけではないが、いま医療機関がBCP(業務連続性計画)によって3日(の隔離)で出勤しているように、社会的費用を考慮して妥協する部分はしなければならないかもしれない」と述べた。