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韓国大統領選前に押し寄せる「オミクロンの波」…与党民主党は越えられるか

登録:2022-01-28 02:27 修正:2022-02-01 07:28
国民の痛みを最小化した防疫成功で突破する戦略
共に民主党のイ・ジェミョン候補が27日、光州市北区のマルバウ市場を訪れ、支持する市民にあいさつしている/聯合ニュース

 新型コロナウイルス感染者が急速に増加し、3月の大統領選挙の際には1日の感染確認数が2万~3万人に達するとの予測が示されている中、与党の共に民主党は「オミクロン変数」に神経を尖らせている。政府と共に国政の責任を負うべき民主党としては、防疫を成功させることはもとより、国民の痛みを最小化するやり方でオミクロン変異株の波を乗り越える方針だ。

 オミクロン株の拡散は野党陣営の一本化と共に、民主党があげる今回の大統領選の「2大変数」だ。感染者が急増し、医療システムが崩壊するなどの防疫の失敗例が続出すれば、政府与党には致命傷となるからだ。民主党は「K防疫」の成功で勝利した2020年の総選挙を思い起こしつつ対応策を講じている。民主党指導部のある議員は「4・15総選挙の時は、2月末ですら『マスク大乱』のせいで勝つとは思いもしなかった」とし「オミクロン株が我々に否定的な影響を及ぼす恐れもあるが、政権与党なのだから、むしろこの問題を率先して解決するという力を示せる」と述べた。党内部からは、イ・ナギョン代表(当時)が2020年の総選挙の際に「コロナ国難克服委員会委員長」を兼職したように、イ候補も前面に立って主導的な役割を果たすべきだとの意見も出ている。しかし「拡散が衰えない中で候補が先頭に立つのはリスクがある」との反論も根強い。

 民主党は、コロナ禍が長期化しているだけに、拡散の推移を見守りつつ、国民の痛みを最小限に抑えることを目標として「柔軟なやり方」の防疫対策を打ち出す計画だ。選対委の関係者は「3回目の接種者に対してはカフェ利用制限を解くなど、むしろ接種を促すポジティブ方式が必要だ」と述べた。封鎖や処罰ではなく誘引策によって危機を乗り切るという趣旨だ。

 イ・ジェミョン候補も26日、光州北区(クァンジュ・プック)のマルバウ市場を訪れた後、記者団に対し「オミクロン株の感染速度は非常に速く、その代わり致命率は低いため、今のようなやり方から脱して、少し柔軟で科学的で合理的な防疫対策へと転換することが必要だ」と述べた。続いて「その過程で、市場の商人などを含めた自営業者・小商工人の被害が非常に大きいため、当然大規模な先制的支援が必要だ」と述べ、補正予算の増額を繰り返し強調した。イ候補は補正予算増額を論議するための会談の提案を断った国民の力のユン・ソクヨル候補に対し、「国民の痛みにもう少し関心を持っていただき、この困難に対して本気でアプローチしてくださることを改めてお願いしたい。口だけでなく実行することこそ本当に重要だと改めて申し上げる」と強調した。

 民主党のユン・ホジュン院内代表もこの日の政策調整会議で、「臨時国会の議事日程に沿って速やかに補正予算案を審査し、35兆ウォン(約3兆3500億円)規模の補正予算が準備できるよう最大限努力する」と述べた。ユン院内代表はまた「ブースターショットを拡大するためにはワクチンパスをワクチンインセンティブに変更し、オミクロン株の特性に合わせて恩恵中心のやり方へと切り替えなければならない」とし「確実なインセンティブは、距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)で困難に直面する小商工人の負担も減らすことができる」と強調した。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1029109.html韓国語原文入力:2022-01-27 17:46
訳D.K

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