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1カ月でピークアウトした英米のオミクロン株大流行…韓国は違う道辿るか

登録:2022-01-27 06:45 修正:2022-01-27 07:19
米国や英国など流行のピークまで平均27日 
韓国は元々感染者数少なく、接種率が高い 
軟着陸目指す韓国政府の戦略で進行遅く、長い流行続く見込み
今月26日、ソウル江南駅の新型コロナ臨時選別検査所で、受付終了を知らせる案内板が出されている/聯合ニュース

 新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン」が急速に拡散した米国、英国など海外諸国は約1カ月で流行がピークに達し、減少に転じている。しかし、これまで感染者数が少なかった韓国は、相対的に遅くて長い流行を経験するものとみられる。

 国際統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ」の26日の資料によると、昨年12月1日に初めてオミクロン株の感染事例が確認された米国では、今年1月12~16日の1週間の平均感染者数が80万人前後に達してから、減少傾向を見せている。ピークまで43~47日かかった。昨年11月27日に最初のオミクロン感染者が発生した英国は、40日目の1月5日、1週間の平均感染者数が18万2000人台でピークに達した。感染者数が9万2000人台まで減った19日からは、テレワーク勧告や室内マスク着用、ワクチンパスなど防疫措置を段階的に解除している。

 オミクロン株が優勢種になった時点から流行がピークに達する期間は27日程度という分析もある。日本経済新聞が23日、新規感染者数が前週より2倍以上増えた日からピークを過ぎ前週より10%減った日までの期間を分析したところ、南アフリカ共和国のヨハネスブルグが属するハウテン州は31日、米ニューヨーク市のマンハッタン地区は30日、フランスのパリは24日、英国のロンドンは23日がかかった。

 しかし、これらの事例で韓国のオミクロンの流行を予測するには限界がある。韓国は米国、英国などに比べて新型コロナ感染者数が格段に少なく、比較的ワクチン3回目の接種率が高いからだ。最初の事例が発見されてから普通3週間で優勢種となった主要国とは違い、韓国は12月1日に最初の感染者が発生してから優勢種になるまで7週間以上かかった。英国と米国は先の大規模な流行で、人口100万人当たりの感染者数が約23万4474人と21万5495人で、1万4618人(24日基準)の韓国より多い。昨年まで韓国と感染者の発生率がほぼ同じだったオーストラリアは、オミクロン株の拡散以降、感染者の急増とともに1月初めから死亡者が急増したが、3回目の接種率は26.3%(24日基準)で、韓国の半分に過ぎない。

 米国や英国などが短く大規模な流行を経験したとすれば、韓国は比較的遅く長い流行が続くものとみられる。防疫当局は、オミクロン株の拡散で感染者数が急増すると、集団免疫を達成できると期待している一方、オミクロン株の拡散スピードを和らげる軟着陸を試みている。これまで感染者が少なかったため、米国などの急激な大流行を経験した場合、感染者数の急増で医療体制が崩壊しかねないからだ。中央事故収拾本部は26日「オミクロン中心の防疫体制に転換する今の時期の防疫目標は、転換期間の流行を最大限安定的に管理すること」だとし、「重症患者と死亡被害の最小化や医療体系崩壊防止、社会経済的被害の最小化が目標」だと明らかにした。翰林大学のチョン・ギソク教授(呼吸器内科)は「他国と違って韓国はオミクロン株が優勢種になるのに2カ月かかった。市民がマスク着用に非常に協力的で、成人の場合、2回目のワクチン接種率が96%に達するためとみられる」とし、「ピークアウトまで比較的長い時間がかかる」と予想した。

 専門家たちはさまざまな流行の状況に備えるべきだと助言する。翰林大学医学部のキム・ドンヒョン教授(社会医学)は「韓国では市民がマスク着用に協力的で、距離措置を(ソーシャル・ディスタンシング)を守っており、3回目の接種率も50%を超えているが、こうした点で優勢種化まで時間が長くなったようだ」とし、「様々な要因があり、(オミクロン株の流行が)短期間で急増する形になるか、長期にわたり広がっていくかは簡単に予測できない。状況に応じたシナリオ別の対応戦略を用意しなければならない」と述べた。

イム・ジェヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1028924.html韓国語原文入力: 2022-01-27 02:33
訳H.J

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