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韓国原安委、福島第一原発汚染水放出計画の変更案の安全性検討に着手

登録:2021-12-22 02:00 修正:2021-12-22 07:04
汚染水の分析方法の適切性などを綿密に検討 
日本の原子力規制委に透明な審査を求める書簡も
日本の福島第一原発の敷地内に保管されている、同原発事故で発生した汚染水。東京電力は、早ければ2023年春からの海洋放出の実施に向けて手続きを踏んでいる/聯合ニュース

 韓国の原子力安全委員会(原安委)は、日本の東京電力が21日に福島第一原発の汚染水の海洋放出に向けて同国の原子力規制委員会に提出した「福島第一原子力発電所特定原子力施設に係る実施計画変更認可申請書」の計画の変更内容の安全性を検討する作業に着手した。原安委はまた同原子力規制委に対し、汚染水の海洋放出手続きを進めることに遺憾の意を表明し、独立的かつ透明な審査を求める書簡を送った。

 韓国政府は同日、ク・ユンチョル国務調整室長の主宰で外交部、科学技術情報通信部など9つの関係省庁の次官会議を開き、日本の一方的な汚染水の海洋放出手続きの推進に懸念を表明するとともに、外交ルートからもこのような立場を伝えることを決めた。

 日本政府は4月、福島第一原発事故の汚染水を薄めて海に放出することを決めた。これを受け、東京電力は早ければ2023年春からの放出実施に向けて手続きを進めている。

先日、岸田首相が福島産イチゴを食べ、放射性汚染水の海洋放出計画を明らかにしたことに対し、環境保健市民センターと環境運動連合海委員会が25日、世宗文化会館前の階段で汚染水の放出や岸田首相と菅前首相に抗議するパフォーマンスを演じている=ユン・ウンシク先任記者//ハンギョレ新聞社

 原安委はこの日、「韓国原子力安全技術院の安全性検討チーム(12人)は変更案の安全性の検討に着手しており、関係省庁タスクフォース(TF)を中心に必要な措置を取っていく計画」だと明らかにした。原安委は今回の検討で、福島第一原発の汚染水の分析・希釈・取排水などの海洋放出関連設備の健全性、汚染水に含まれる放射性核種の分析方法の適切性、異常状況に備えた緊急遮断設備の適合性などを綿密に検討する予定だ。

 原安委はまた、日本の規制委に書簡を送り、日本政府は福島第一原発の汚染水処分の不可避性などについて、最隣接国である韓国と十分な協議や情報提供を行っていないと指摘した。さらに、一度浄化された汚染水ですら約70%が排出基準を超過しているなどの問題が解決されていないにもかかわらず、海洋放出の手続きを進めていることに対して深い遺憾の意を表明した。原安委は日本の規制委に、日本国外の利害関係者の意見も聴取し、反映すること▽関連情報を隠すことなく公開し、情報提供要請および質問に積極的に応じること▽独立した規制機関として審査期限を定めることなく、科学技術的な観点から十分に検討すること、などを求めた。

 原安委のユ・グッキ委員長はこの日の緊急ブリーフィングで、「日本の原子力規制委員会が11月の国際原子力機関(IAEA)福島第一原発事故10周年カンファレンスで審査期限が4.5カ月であることを明らかにしたことについて、独立的な規制機関が期限を事前に定めて審査するのは、審査結果の方向性があらかじめ定められているという誤解を招きかねないだけに、期限なしに科学的・技術的観点から十分な検討を行うことを要求した」と述べた。

 原安委は、福島第一原発から現在流出している放射性物質を監視する監視定点を今年の32カ所から来年には34カ所へと増やすほか、セシウムとトリチウム(三重水素)の調査回数も増やして監視を強化する計画だ。

 ユ委員長は「このかん日本に対して汚染水の海洋放出についての透明な公開、十分な協議を要請し続けており、今後も国際社会と各種協議体の会議を通じて要請を続けていく計画」とし「福島第一原発の汚染水の海洋放出に備え、韓国国民の安全を最優先として、必要なあらゆる努力を尽くしていく」と述べた。

キム・ジョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/1024189.html韓国語原文入力:2021-12-21 15:59
訳D.K

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