全国の新型コロナウイルスの新規感染者数が2日連続で7000人を突破し、年内に1万人となる可能性もあるという話まで出ていることから、市民の不安が高まっている。周辺のいたるところでコロナ感染者が増えていることで、前もって検査を受けるために選別診療所を訪れる人たちも急増しているため、各診療所の前には検査を待つ人々の長い列ができている。
8~9日、首都圏の選別診療所はコロナ検査を受けに来た市民でごった返した。感染者と動線が重なったり、濃厚接触者と分類されたりした市民はもとより、先日の防疫パス制度の強化に伴ってPCR検査の陰性確認書が必要になった市民も選別診療所を訪れた。8日のソウル麻浦(マポ)区役所の選別診療所では、午後3時に始まったコロナ検査の受け付けがわずか20分で終了した。一瞬にして10人あまりの人々の訪問が無駄骨となった。麻浦区役所の建物の1階と2階をつなぐ階段は、コロナ検査を待つ70人あまりの市民であふれた。午後5時、ソウル西大門区(ソデムング)保健所の選別診療所は、待機番号が800を突破した。
訪れた市民の中には、感染者との接触はなかったものの、漠然とした不安から検査を受けに来た人もいた。西大門区保健所で検査を待っていたキム・ジュンホさん(20)は「感染者が7000人を超えたというので、不安で検査を受けに来た。1時間ほど待っている」と語った。高速バスターミナルの選別診療所で検査を待っていたYさん(67)は「大型スーパーで多くの人と会うから心配になって、仕事をあがってから検査を受けに来た」とし「ウィズコロナ以降、みなとても警戒心が緩んでいるように感じる」と話した。
地方自治体の保健所や区役所の職員は、押し寄せる市民に対応する人手が不足していると訴えた。麻浦区選別診療所の職員Lさんは「3週間前から検査希望者が急増した。感染者と動線が重なったというショートメッセージを受け取ったためにここを訪れる人が多いのだが、仕事を延期してまでやって来たのに検査を受けられなくて怒りだす人も多い」と語った。
強化された防疫パスで困っている市民もいる。基礎疾患や異常反応のためにワクチン接種を遅らせたり完了できていなかったりする人たちも、不安からワクチン接種を急いでいる。会社員のKさん(33)は「ワクチンの1回目の接種後に過呼吸で救急室に運ばれ、異常反応として報告された。その後も似たような症状が繰り返されたため、2回目の接種を先送りしていた。保健所では、アナフィラキシーの症状ではないためワクチン例外証明書は発給できないと言われた。結局2回目の接種を受けた」と述べた。会社員のAさん(28)も「普段からアレルギー症状がひどいためワクチン接種を先送りし、1カ月ほど大学病院でのアレルギー検査を待っていた。防疫パスの導入で、急いでワクチンの1次接種を受けることになったが、今月は計画していた複数の外部活動ができなくなりそうだ」と話した。
コロナに感染した人々は、隔離が終わった後も不安を感じている。先月25日に感染が確認されたという会社員Kさん(32)は「自宅隔離でも生活治療センター入所後も症状がなかったため退所したが、どんな経路で感染したのかも分からない。ウィズコロナの雰囲気になりだしてから友人と年末の約束もしていたのだが、すべて取り消された」と話した。