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韓国政府、3回目接種に望みをかけるが接種率9.4%…追加接種が進まない理由は

登録:2021-12-10 09:28 修正:2021-12-10 11:25
新規感染者が連日7千人を超えているのに 
ワクチンの追加接種率、なかなか上がらず 
世界の主要国に比べ最低水準 
 
1回目の接種開始が遅かった上に 
異常反応への懸念が大きいのに、補償は不十分
今月4日午前、ソウル恩平区の青丘聖心病院で高齢者がファイザーのワクチンで3回目の追加接種をしている/聯合ニュース

 韓国で新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が2日連続で7千人を超えた中、韓国のワクチン追加接種率(ブースターショット、3回目接種率)が世界主要国の中で最も低いことが分かった。

 中央防疫対策本部(防対本)は同日0時現在、韓国で追加接種を終えた人は484万3497人で、全国民比で接種率は9.4%と発表した。11歳以上の人口集団を基準にすれば接種率は11%で、今月31日までの追加接種対象人口を基準にすれば接種完了は28.5%のみとなる。

 韓国のワクチン追加接種率は、世界主要国と比べて最も低い水準に属する。国際統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、今月6日現在、最も追加接種率の高い国はイスラエルで、接種率は44.18%に達する。この他にも英国(30.66%)、ドイツ(17.55%)、フランス(15.23%)、イタリア(15.19%)、米国(14.39%)などの順だが、いずれも韓国より追加接種率が高い。

 韓国の低い追加接種率を説明する原因としては、ほかの国々に比べて遅かった基本接種(1・2回目の接種)の日程が挙げられる。世界の主要国家は昨年末ごろ接種を始めた。相対的にワクチンの導入が遅れていた韓国では、今年2月にワクチン接種が始まり、主要国に比べ3カ月近く遅れている。政府は、基本接種後の追加接種までの間隔期間を終えて接種対象に含まれる人口が急速に増えているため、近いうちに接種率も上がるだろうと見込んでいる。防対本は「12月末を基準に接種対象者となる人口に対する年齢別の3回目接種率は、80歳以上が65.4%で最も高く、30代が42.6%、50代が37.0%、70代が35.4%の順」だとし「3回目の接種は徐々に加速し、ここ3日(6~8日)の60歳以上の年齢層の1日平均接種者数(23万人)は、12月第1週(11月29日~12月5日)の1日平均接種者数に比べ2倍に増えた」と説明した。

 政府は先月29日、新型コロナ対応特別防疫対策を発表し、50歳以上、免疫低下者、療養型病院・療養施設など感染脆弱施設の入所者および従事者などを中心に行われていた追加接種を、18歳以上の一般成人にまで拡大すると発表した。これにより、基本接種を完了してから5カ月過ぎた18~49歳の青年・壮年層も、今月4日から追加接種を受けている。

 政府はワクチン接種率が高まるだろうと期待しているが、一部ではワクチンの異常反応に対する懸念やワクチン効果への疑問が高まり、追加接種率の向上に困難が生じるだろうという見方も出ている。

 韓国リサーチが11月末(26~29日)、ワクチンを1回以上接種した成人890人を対象に実施したアンケート結果によると、「すでに追加接種を受けた」と答えた人を含め、追加接種に積極的な立場を明らかにした人は70%だった。「追加接種を先延ばしにして状況を見守る」(13%)、「必ず必要な場合に限って追加接種を受ける」(13%)、「追加接種を受けない」(4%)など、接種に否定的な回答をした人は30%に達した。これは、今年10月末に韓国リサーチが実施した基本接種アンケートで「ワクチンを接種した」を含む94%が肯定的な回答をしたことに比べると、追加接種に対する態度が否定的に変わったものと読み取れる。

 ワクチンの追加接種を迷ったり、接種しないと答えた271人のうち、56%がその理由として「接種の異常反応に対する懸念」を挙げた。「政府の異常反応対処および補償の不足」(45%)、「追加接種の効果を信じられない」(44%)、「本人または周りの人が予防接種の異常反応を経験」(38%)、「基本接種を完了し、追加接種をしなくてもよさそうだ」(28%)などが続いた。

 ソウル大学のキム・ユン教授(医療管理学)は本紙に対し、「異常反応に対して補償を行う予防接種被害補償専門委員会が、どのような基準で異常反応を認め、または認めないのかについての基準も、全く公開化されていない」とし、「国民がワクチンの異常反応で命を失ったり合併症が発生したと主張しているが、政府がこれに対して納得できる十分な説明を出さず、補償するとしながらも補償をきちんと行わなかった」と述べた。嘉泉大学医学部のチョン・ジェフン教授(予防医学)も「政府が(ワクチンを)2回打てば新型コロナの状況が終わるというシグナルを送ったのに、ワクチン接種の効果や異常反応について情報を提供するのに不十分な部分があった」とし、「専門家がより正確で忠実に説明し、政府は被害者が納得できるように説明すべきだった」と述べた。

 防対本が同日発表した資料によると、追加接種による新型コロナの重症化・死亡の予防効果は確実だ。全人口のうちワクチンを接種していない96万7千人(7.4%)で重症患者の57%が発生しており、残りの接種完了群でも、接種後時間が経って免疫効果が減少し、突破感染(ブレイクスルー感染)によって重症患者の43%が発生した。前日、防疫当局は3回目の接種を完了した人のうち、突破感染者は172人で、重症患者は1人、死亡者は0人と発表した。新型コロナ予防接種対応推進団は「基本接種を完了して3カ月過ぎた60歳以上の高齢層に、12月中に3回目の接種を受けることを強く勧告する」と明らかにした。

イ・ジェホ、キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1022780.html韓国語原文入力:2021-12-10 07:09
訳C.M

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