本文に移動

韓国首都圏のコロナ危険度「非常に高い」…防疫当局、非常計画の適用を検討

登録:2021-11-23 06:12 修正:2021-11-23 07:32
今月22日、ソウル広場に設けられた新型コロナウイルス感染症の臨時選別検査所で、検査を受けるために市民が並んでいる/聯合ニュース

 韓国で段階的な日常回復(ウィズコロナ)が始まって3週間で、防疫当局が首都圏の新型コロナウイルスの感染拡大の危険度を「非常に高い」と診断し、全国単位の危険度を「高い」と診断した。一部の専門家らは、危険度指標の悪い首都圏だけでも私的な集まりの人数制限など防疫を強化する必要があると提言しているが、韓国政府はひとまず、病床の確保やワクチン接種率の向上に力を入れる方針だ。

 中央防疫対策本部のチョン・ウンギョン本部長(疾病管理庁長)は22日の定例ブリーフィングで、「政府の危険度評価と日常回復支援委員会の防疫医療分科委員会の諮問を経て議論した結果、先週(11月14日~20日)の新型コロナの危険度を、全国的には『高い』、首都圏は『非常に高い』、首都圏以外の地域は『中間』だと判断した」と明らかにした。チョン長官は「全般的な状況を考慮すると、こうした傾向が当分続くと予想され、中央災害安全対策本部(中対本)を中心に必要な措置を強化する計画」だと付け加えた。

 政府は17日、ウィズコロナに伴う後続措置として、毎週新型コロナ感染拡大の危険度を分析し、首都圏、首都圏以外の地域、全国について「非常に低い」、「低い」、「中間」、「高い」、「非常に高い」の5段階で分類するという計画を立てた。危険度の評価基準は医療・防疫対応指標、新型コロナ発生指標、予防接種指標の3つの領域で、17の細部指標に分けられる。

 先週まで「全国を基準に保健医療体制の対応能力は安定的なものとみている」と言っていた政府の態度も変わった。チョン本部長は「首都圏の集中治療室の病床は余力がほとんどない状況で、新規感染者数や実行再生産数など防疫先行指標が悪化している」とし、「全国的に病床余力は当分悪化する見通しであり、防疫指標の悪化を考慮して、現時点から防疫措置の強化が必要だ」と述べた。チョン本部長はウィズコロナを中止する非常計画の発動に関し、「非常計画の適用を含む防疫措置強化を検討する必要があるとみている」とし、「ただし、これは中対本を中心に論議しなければならず、今日ここで明確に言うのは難しい。中対本の議論や日常回復支援委員会の検討などを通じてお知らせする」と述べた。

 一部では、病床の確保だけでは現在の感染拡大を統制できず、新型コロナ危険度指標が悪い首都圏だけでも「非常計画」に準ずる防疫の強化が必要だという声もあがっている。翰林大学江南誠心病院のイ・ジェガプ教授(感染内科)は「政府が重症患者の病床を早期確保するとしても、感染者の増加のスピードがもっと上がれば、結局感染拡大を統制できない」とし、「私的な集まりの人数を制限し、ワクチン未接種者の人数を制限したり、首都圏を中心に防疫パスを強化するなど、防疫強化措置が必要だ」と述べた。

 しかし防疫当局はひとまずウィズコロナを維持しながら、「病床の確保」と「ワクチン接種率の向上」に防疫対策の焦点を合わせる計画だ。政府はこれに先立ち、5日と12日の2回にわたって首都圏の上級総合病院22カ所に病床動員行政命令を下したが、今週からはこれによる病床の確保が行われるものとみている。中央事故収拾本部のパク・ヒャン防疫総括班長は「(行政命令から)3週間以内に拡充するようにしているため、今週から少しずつ増えている」とし、「今週末から来週までは当初目標だった首都圏準重症病床402床の追加確保を完了する予定」だと述べた。先週末に政府が追加で確保した病床は計162床(重症者7床、準重症者46床、感染専用病床109床)だ。

 さらに、18歳以下の青少年のワクチン接種率を高めるための対策も本格的に講じている。チョン・ウンギョン本部長は「18歳以下の学齢層でも週間500人台の新規感染者が発生している。保育施設や教育施設を通じた感染が多く、家族や知人、友人との接触が多いものと分析された」とし、「防疫当局は教育部とともに小児・青少年の予防接種を持続的に勧告し、児童・青少年が主に利用する大衆利用施設に対する防疫パスの適用拡大などを検討している」と述べた。同日基準で12~17歳の青少年のワクチン接種完了率は13.5%だ。

 新型コロナ新規感染者に対する保健医療能力は、新規感染者や重症者が急増する首都圏を中心に悪化し続けている。防対本の発表によると、新型コロナ感染専用病床の稼働率(21日午後基準)は69.49%で、全国の重症患者専用病床1134床のうち788床が使われている。政府はウィズコロナを中止し、防疫を強化するいわゆる「非常計画」を発動する緊急検討基準として、重症患者専用病床の稼働率75%を提示している。

 新型コロナ重症者数も515人(22日0時基準)で、政府が提示した安定的に管理可能な患者数(500人)を連日上回っている。病床の稼動率が高くなるにつれ、病院に入院しなければならない新規感染者たちが家で待機する時間がだんだん長くなっているのも問題だ。首都圏で新型コロナ陽性判定を受けてから、病床の配分を1日以上待つ患者数が同日0時現在907人で、前日(804人)より103人増えた。待機日数別にみると、1日以上待機者が385人、2日以上が223人、3日以上が162人で、4日以上待機する患者数も137人にのぼる。

イ・ジェホ、パク・ジュニョン、クォン・ジダム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/rights/1020312.html韓国語原文入力: 2021-11-22 20:01
訳H.J

関連記事