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韓国「コロナによる死者」第3波より深刻…首都圏の病床待機者804人で最多

登録:2021-11-22 03:16 修正:2021-11-28 21:17
週間死者数171人、今年1月第1週より多い 
首都圏のコロナ重症患者病床の稼動率81.5%
15日午後、仁川市東区の仁川医療院。陰圧治療病床専用の出入口が固く閉ざされている/聯合ニュース

 韓国で直近の1週間の新型コロナウイルスによる死者の数が、第3波を超える171人となった。首都圏で病床の空きを1日以上待っている人の数も21日は800人を超え、これまでで最大規模となるなど、首都圏の医療対応システムにかかる負担は日増しに重くなっている。

 中央防疫対策本部(防対本)の集計によると、21日午前0時現在、過去24時間以内にコロナにより死亡した人の数は30人。15日からの7日間のコロナによる死者の数は12→22→21→29→28→29→30人と推移している。週間死者数は171人で、1日平均で24.4人にのぼる。先週(11月8日~14日)の1日平均死者数(19.4人)から5人の増。

 最近7日間の国内のコロナによる死者の数は、第3波よりも多い。第3波がピークに達していた今年1月第1週(1月4日~10日)の国内のコロナによる週間死者数は163人だった。翰林大学聖心病院呼吸器内科のパク・ソンフン教授は、「10月以降、60歳以上の患者が2倍に増えている。高齢の患者が増えるにつれ死者が増えている」とし「ウィズコロナ(段階的日常回復)開始以降にコロナ感染者が増加したことが影響している可能性もある」と説明した。

 首都圏では、病床の配分など、医療対応システムにかかる負担が大きくなっている。政府が最近相次いで病床確保命令などの対策を発表しているにもかかわらず、病床不足問題は解消されていない。

 保健福祉部中央事故収拾本部(中収本)の集計によると、21日午前0時現在、首都圏で病床の空きを1日以上待っている人の数は804人。コロナ拡散以降で最大の規模で、特に18日(423人)から19日(520人)、20日(659人)にかけて急増している。2日以上待っている人も478人にのぼり、70歳以上の高齢層が全体の半数を超えている(421人)。首都圏を中心とする感染者の増加で、この日(3120人)まで5日連続で1日の新規感染者が全国で3000人を超えているため、病床の配分に時間がかかっていると分析される。パク教授は「適時に受けるべき治療が遅れる恐れのある『空き待ち』が多くなれば、重症患者の発生が増えるのではないかと懸念される」と述べた。

 医療界からは、現在の流行の規模が縮小しなければ、2~3週間後も病床不足問題は解消されないだろうとの見通しとともに、集中治療室への隔離基準などを細分化して集中治療室を確保すべきだとの指摘が出ている。ソウル峨山病院感染内科のキム・ソンハン教授は「症状が現れてから1週間から10日たった患者を中心に速やかに隔離施設で治療し、残りの患者は隔離水準を下げて治療するというやり方に切り替えなければ、短期間での重症患者病床の確保は難しい」とし「追加接種(ブースターショット)が進んで感染者が減らない以上、こうした傾向は続くだろう」と語った。

 また、患者の重症度を把握して在宅治療、生活治療センター、感染症専門病床などに振り分ける際の意思決定に時間がかかるという問題を解消すべきとの指摘も出ている。国立中央医療院のチョン・ギヒョン院長は本紙に対し「(感染判定後の)初期に重症度評価をきちんと行い、適切な病院を選んで送ることが重要で、重症患者医学会のように諮問委員会を設置してこのような評価の質を高めるとともに、財源適正性評価も実施する」とし、「感染者の初期評価と病床配分の質を高めるために人員を補充するとともに、システムを変更している最中」と説明した。

 現在、首都圏の重症患者病床は「満室」に近づいている。前日午後5時現在のソウル、京畿道、仁川(インチョン)からなる首都圏の病床稼動率は81.5%。特にソウルでは全345床の重症患者病床のうち286床、82.9%が稼動している。残る病床は52床。全国では、重症患者専門病床は1127あり、約67%が埋まっている。政府は非常計画の発動基準の一つとして稼働率75%以上を提示している。

パク・チュニョン、イ・ジェホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1020150.html韓国語原文入力:2021-11-21 16:55
訳D.K

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