先月12日に新型コロナウイルスワクチンの接種完了者に対する追加接種(ブースターショット)が始まってから27日にして、突破感染(ブレイクスルー感染)の事例が初めて発生した。追加接種を受けたにもかかわらず突破感染した人は2人の30代で、重症にはなっていない。
中央防疫対策本部(防対本)が16日に発表した「突破感染の発生状況」によると、7日の時点で基本接種と追加接種を完了している2万6272人のうち、突破感染した事例は2人。この2人は1回目と2回目の接種はもちろん、追加接種までの全てでファイザーのワクチンを接種した30代だ。防対本は「2人は重症とはなっていない」と説明した。
政府は先月12日から、60歳以上の高齢層とならんで、コロナ患者を治療する拠点専門病院、感染症専門病院、重症患者治療病床を備える医療機関などで働く従事者、免疫低下者、感染脆弱施設の入所者と従事者などの高危険群に対する追加接種を進めている。
防対本は、今月7日までに発生した突破感染について分析した結果、国内の接種完了者3590万7789人のうち、3万5620人が突破感染でコロナに感染したと推定されると発表した。接種者10万人当たり99.2人の割合だ。
年齢層ごとに見ると、80歳以上の突破感染率が0.183%(10万人当たり183.4人)で最も高かった。満12歳以上の患者に占める突破感染者の割合は、10月第1週が26.3%、第2週が31.3%、第3週が37.9%、第4週が47.3%と次第に増え、11月第1週には56.0%で半数を超えている。
突破感染で重症化した患者は545人、死亡した患者は170人と推定される。重症患者のうち80歳以上が207人で最も多く、続いて多い順に70代(178人)、60代(126人)、50代(22人)、40代(5人)、30代(7人)だった。死者も80歳以上が120人で最も多く、続いて70代(33人)、60代(14人)、50代(2人)の順だった。12~17歳と18~29歳では、突破感染による重症患者や死者は出ていない。
ワクチンの種類ごとに見ると、ヤンセンファーマのワクチン接種者の突破感染率が0.350%で最も高く、アストラゼネカ(0.171%)、ファイザー(0.064%)、モデルナ(0.008%)と続いた。1回目と2回目の接種で異なるワクチンを接種した交差接種者の突破感染発生率は0.117%だった。