韓国で今月1日に段階的な日常回復(ウィズコロナ)第1次改編が施行されてから1週間が経ったが、高齢層やワクチン未接種者を中心とする重症患者と死亡者が増えている。防疫緩和やハロウィンの影響などで、近いうちに流行の規模がさらに拡大すると予想される中、韓国政府は追加接種(ブースターショット)への期間を6カ月から5カ月に短縮する案を積極的に検討している。
中央事故収拾本部(中収本)のパク・ヒャン防疫総括班長は8日のブリーフィングで、「先週(10月30日~11月6日)の一日平均重症者数は365人で、前週に比ベて32人増えており、そのうち60歳以上は79.2%で高齢層が多数を占めている」とし、「先週1週間の全体死亡者は126人で、このうち60代以上の死亡者が前週の72人から122人に大きく増えた」と述べた。死亡者の年齢を見ると、80代以上が80人で最も多く、70代が26人、60代が16人など、高齢であればあるほど死亡者が多かった。
重症患者や死亡者の増減の「先行指標」とされる週間一日平均感染者数も、5週間ぶりに再び2千人を超えた。中央災害安全対策本部(中対本)のイ・スンウ第2総括調整官は同日の中対本会議で「防疫状況はまだ容易ではない状態だ」とし、「先週の一日平均新規感染者数は2133人で、10代以下と老年層を中心に増加しており、9月第5週(2488人)に最高値を記録してから5週間ぶりに再び2千人台に入った」と述べた。実効再生産数も7月中旬以後最高値の1.20で、ここ3週間連続して増加し、流行が拡散していることを示した。
未接種者を中心に感染者と死亡者が出る傾向も明らかだった。ここ8週間の18歳以上の患者8万5998人のうち、接種を完了していない事例(未接種、1回接種)は72.5%だった。ここ5週間に新型コロナウイルス感染症で死亡した452人のうち、予防接種を完了していないケースは71.9%を占めた。
感染拡大によって病床稼働率も首都圏を中心に高くなり、70%前後を記録している。感染症専門病院(軽症・中等症患者)の病床稼働率がソウルは78.1%、京畿道は81.7%に達し、重症者専門病院の病床稼働率はソウルが65.5%、京畿道が66.9%まで上昇した。これを受け、政府では準重症病床と連携し、重患者専門病床の運営を効率化すると共に、近くの非首都圏の病床で首都圏の重症患者を共に治療する案も進めている。
現在、政府は1日平均感染者5千人規模にも対応できる病床を確保した状態で、5日に発動した首都圏病床動員行政命令の履行が完了する4週間後には7千人規模にも対応可能だと明らかにした状況だ。パク・ヒャン班長は「日常回復のための第一歩を踏み出してから1週間になった。今のところ安定した医療対応が行われているが、感染者や重症者、死亡者が2週連続して増え、こうした状態が続く場合、医療対応に負担を与えうる」とし、「先週の社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の緩和とハロウィンの集まりの影響で、今週と来週には感染者数が増えると予想される」と述べた。
防疫当局はイスラエルなどの追加接種の効果を紹介し、療養型病院などの施設だけでなく、60歳以上の高齢層の一般人も、基本接種と追加接種の間隔を従来の6カ月から5カ月に短縮する案も積極的に検討するという方針を明らかにした。
これに先立ち3日、政府は療養型病院や施設および精神病院などで集団発生が増えたため、同施設の入所者と従事者はワクチン接種が完了して5カ月後から追加接種を行うことにした。最近、英国の医学学術誌「ランセット」には、イスラエルで接種を完了から5カ月後に追加接種を受けてから7日が過ぎた72万人を分析した結果、新型コロナによる入院リスクが93%、重症化リスクが92%、死亡リスクが81%低くなることが分かった、という研究が掲載されている。新型コロナ予防接種対応推進団のホン・ジョンイク予防接種管理チーム長は「専門家の意見を聞き、国内外の資料を検討している。根拠が蓄積されれば(一般人も追加接種の間隔を)1カ月ほど繰り上げることを積極的に検討し、議論すべきだとみている」と述べた。