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韓国、日常回復前に新規感染者2千人近く発生…「ハロウィンで防疫規則違反の恐れも」

登録:2021-10-28 06:34 修正:2021-10-29 06:24
一日の新規感染者1952人で再び増加傾向 
「寒さで室内活動が増えたのが原因」 
 
外国人や若者層が集まる地域の遊興施設で 
来月2日まで防疫取締りに着手
今月22日午後、ソウル松坡区蚕室ロッテワールドタワーで開かれた「ミステリー・ハロウィン」イベントで、市民がリレーフォトゾーンを背景に記念撮影をしている/ 聯合ニュース

 一時は1000人台前半で落ち着いているように見えた韓国の新型コロナ新規感染者が、再び2000人台に迫るほど増えている。11月1日から始まる段階的な日常回復(ウィズコロナ)の実施には支障がないが、防疫当局は今週末、若者や外国人が密集するものとみられるハロウィンを控え、換気やマスク着用など、基本的な防疫ルールを徹底的に守ることを呼び掛けている。

 27日0時現在の国内の新型コロナ新規感染者は1952人だった。水曜日であるため、週末の検査件数が減った効果がなくなったためでもあるが、過去10日(17~26日)の1日平均1338人に比べ、高い数値だ。これに先立ち、新規感染者数は6日に2027人、7日に2425人、8日に2172人で、3日連続で2000人台を記録した後、9日から約20日間1000人台を維持し、減少傾向を示してきた。

 中央事故収拾本部(中収本)のソン・ヨンレ社会戦略班長は同日午前の定例会見で、「ここ3週間は減少傾向にあった新規感染者数が、今週に入ってから再び少しずつ増加する傾向を示している」と述べた。ソン班長は患者数が増加した背景について、「先週、私的な集まりの拡大など防疫措置の緩和により近づいた日常回復に対する期待感や、寒さのため室内活動が増えて換気が難しくなる点などが、流行を悪化させる要因だと判断している」と説明した。これに先立ち、韓国政府は18日から社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)を維持するものの、首都圏の私的な集まりの人数基準を最大8人まで、非首都圏は最大10人まで拡大するなど、防疫規則を緩和した。

 ただし、重症患者専担治療病床は26日基準で計1073病床を確保しており、稼働率は全国42.1%で余裕がある。首都圏にはまだ284病床が残っている。準重症患者の病床も稼働率が全国平均51.9%で、首都圏にも94病床が残っており、大きな問題はない状況だ。

 さらに政府は今週末のハロウィン(10月31日)を迎え、若者を中心に感染が広がらないように注意を呼びかけている。中央災害安全対策本部(中対本)第1次長を兼ねているクォン・ドクチョル保健福祉部長官は同日午前の中対本会議で、「今週末のハロウィンを控え、防疫規則に違反する行為が頻発しないか懸念される」と指摘した。ソン・ヨンレ班長も「長時間室内に滞在し、マスクを付けにくい食事や飲酒などをしたり、大声で歌ったり、激しい運動などを長く続ける場合は、どうしても密閉した空間では感染確率が高くなる」とし、「集まりはできるだけ短く、換気にも引き続き気を使い、マスク着用など基本的な防疫守則を徹底して守ってほしい」と述べた。

 このように政府がハロウィンを感染拡大の要因に挙げた背景には、若年層と外国人の相対的に低い接種完了率がある。キム・ブギョム首相は26日、中対本会議で「今週末のハロウィンを迎え、期待に胸を膨らませた一部の若者たちが防疫守則に違反するのではないかという懸念の声があがっている」とし、「まだ国内滞在の外国人や若者たちの予防接種率が十分ではない状況で、日常回復を始める前に、新しい集団感染の輪が地域社会のあちこちで生まれることがあってはならない」と述べた。同日午前0時基準の若年層の新型コロナワクチン接種完了率は、18~29歳は74.2%、30~39歳は73%で、18歳以上の全体接種完了率(83.1%)に比べて10%ほど低い。外国人の接種完了率は57.9%に止まっている。疾病管理庁は同日、「ハロウィンを迎え、様々な外国人コミュニティのイベント及び私的集まりを通じた感染拡大が懸念される状況」だとし、「ワクチン接種率がまだ高くない若年層が過密な室内環境でまた大声で話しながら長時間滞在した場合、危険な状況を招く恐れがある」と説明した。

 これに先立ち、政府は今月22日の中対本ブリーフィングで「ハロウィンに備えた飲食店・外国人密集地域特別防疫点検計画」を発表し、27日から来月2日まで外国人と若者が多数密集する地域の居酒屋や遊興施設を対象に特別防疫点検を行うことにした。ソウル(梨泰院・弘大・江南駅・瑞草駅)や仁川(仁荷大・富平)、京畿(龍仁・水原)、釜山(西面)などにある居酒屋と遊興施設が主要点検対象だ。防疫規則に違反した外国人に対して強制出国措置を取るという政府の計画が外国人差別だという指摘に対し、ソン・ヨンレ班長は「ハロウィンに馴染みがあり、それによってイベントが多く展開する地域を集中的に点検するという計画で、外国人だけをターゲットに実施するわけではないため、差別問題は大きくないだろう」と答えた。

 一方、疾病庁は同日、室内活動が多くなる冬季を控え、「賢い換気指針」を設けたと発表した。韓国建設技術研究院による政策研究の中間結果によると、新型コロナウイルスは10分前後の自然換気または大衆利用施設の持続的な換気設備の稼動により、汚染物質の濃度と空気感染の危険性が3分の1まで減少することが分かった。

 「賢い換気指針」は、まず窓の開放による自然換気の一般原則として、前後の窓を開放し、冷暖房機を稼働中も自然換気を行い、換気設備がない場合は扇風機またはサーキュレーターにより室内の汚染物質を外部に排出するよう定めている。大衆利用施設や病院の場合は、「換気設備内部の循環モードは避け、外気導入量を最大に増やし、高性能フィルターの使用とフィルターとカートリッジの間の漏洩に注意するよう」呼びかけた。なお、マンションなどの共同住宅とオフィスビルでは「逆流防止ダンパー(煙や空気の量を調節する装置)のある排気ファンの設置を推奨し、厨房のファンを稼働する際は自然換気を並行すること」を勧めている。

クォン・ジダム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1016836.html韓国語原文入力:2021-10-27 21:37
訳H.J

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