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韓国、11月から段階的日常回復…ワクチンパス導入、大衆利用施設の時間制限解除

登録:2021-10-26 10:34 修正:2021-11-11 09:27
段階的日常回復履行計画を公開 
 
来月「日常回復」の第一歩 
遊興施設を除いて24時間営業 
12月から499人の行事や集会 
来年1月には人数制限も解除 
6週間おきに1段階緩和、全3段階
コロナ中央防疫対策本部のチョン・ウンギョン本部長(左端)が25日、ソウル中区の韓国プレスセンターで開かれた「段階的日常回復履行計画公聴会」で発表内容を聞いている=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社

 全国民の70%が新型コロナウイルスワクチン接種を完了したことを受け、来月1日から段階的日常回復(ウィズコロナ)へと大きな一歩が踏み出される。いわゆる「ワクチンパス」が本格的に導入され、遊興施設を除く全ての施設の時間制限がなくなる。12月からは500人未満までの行事や集会が可能になり、来年1月には私的な会合の人数制限もなくなる。

 保健福祉部中央事故収拾本部(中収本)は25日の「コロナ段階的日常回復履行計画公聴会」において公開した履行計画の草案で、11月1日から1段階につき「運用期間4週間、危険性評価期間2週間」の時間を取り、全3段階にわたって防疫措置を緩和する方策を提示した。

 まず第1段階では、全ての大衆利用施設の時間制限を緩和する。まず最も安全な施設とされる学習塾、映画館、公演会場、読書室、インターネットカフェの利用時間制限を解除する。映画館では、接種完了者とPCR検査で陰性が確認された人のみが利用する場合は、人数制限と1席の間隔をあける措置を解除し、飲食も認める。現在は夜10時もしくは12時までとなっている食堂とカフェも、営業時間制限を解除する。

 一部の業種では、いわゆる「ワクチンパス」と呼ばれる接種証明・陰性確認制を導入したうえで、防疫措置が緩和される。食堂やカフェなどの未接種者規模制限は、4人を超える会合の場合に未接種者かどうかの確認が必要だったが、接種証明・陰性確認制は入店が1人の場合でも確認が必要になるという違いがある。

 カラオケボックス、公衆浴場、屋内体育施設は営業時間制限を解除し、接種証明・陰性確認制を導入する。ジムなどの屋内体育施設ではシャワーの利用が可能になり、ランニングマシンの速度制限もなくなる。ただし、現行の社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)レベル4では集合禁止、レベル3では夜10時までに営業時間が制限されていた遊興施設、コーラテック、武道場、ホールデムパブ、ホールデムゲーム場は接種証明・陰性確認制を導入することを条件に、ひとまずは夜の12時までの時間制限を設けたうえで営業を認める。

 結婚式や博覧会などの行事・集会の開催は、未接種者がいる場合は100人未満で可能になり、接種完了者と陰性確認を受けた人のみの場合は500人未満まで可能になる。球場などの屋外競技の観戦も、接種を受けたかどうかとは関係なしに定員の50%までの入場が可能だが、接種終了者専用区域では定員の100%の入場が可能になり、飲食も認める方針だ。

 現在は8人までに制限されている私的な会合も、接種の有無とは関係なく10人までとする。ただし食堂やカフェでは、接種を受けていない人は4人までとし、その後の日常回復段階ではさらに2人~3人へと減らすことを検討している。

 病床のひっ迫などがなければ、12月13日に実施される第2段階では、接種完了・陰性確認者のみからなる行事・集会に対する人員制限をなくし、大規模な行事も可能にする。遊興施設、コーラテック、武道場などに適用されていた営業時間制限の解除も進める。来年1月24日に実施される第3段階では、第1~2段階では10人だった私的な会合の人数制限も解除するというのが今回の草案の核心だ。

防疫体系の「段階的日常回復」への転換の条件である接種完了率70%が達成されてから初の週末となった24日午後、ソウル中区明洞で市民が外出を楽しんでいる/聯合ニュース

 政府の草案によると、防疫体系は感染者数中心からワクチン接種率、集中治療室と病床の余力、重症患者と死者の規模、流行規模中心へと変わる。段階的日常回復以降、患者の増加に伴って重症患者や死者が増えるなど、危険度が高まれば、防疫措置の緩和を中断する「非常計画」も策定しておく。集中治療室と入院病床の稼働率が80%以上にまで悪化したり、直近の1週間の重傷患者数と死者数の急増などで医療システムが崩壊の危険に直面したりすれば、一時的な非常措置を発動するというもの。4~6週間ほどにわたって接種証明・陰性確認制を大衆利用施設全般に拡大して私的な会合の人数制限を再び強化するか、行事の規模と時間を制限するなどの措置が検討されている。

 ソーシャル・ディスタンシングの緩和に伴う流行規模の拡大は避けられないだけに、日常の防疫実践と、500万人以上にのぼる18歳以上の成人未接種者の接種が重要になる。屋内でのマスク着用と電子立ち入り名簿・安心コールの義務化は維持されるが、第2段階では屋外でのマスク着用の解除が検討されることになっている。

 履行計画草案は、27日のコロナ日常回復支援委員会の第3回会議を経て、29日の中央災害安全対策本部会議で確定し、発表する予定となっているため、一部変動があり得る。チョン・ウンギョン疾病管理庁長は公聴会で「我々が追求する日常は、コロナ禍以前の日常と完全に同じというわけではない」とし「以前より感染症の脅威に対してより準備のできている新しい生活への転換が必要であり、これを通じてより安全で誰もが幸せな日常を全国民が共に作っていかなければならない」と述べた。

キム・ジフン、クォン・ジダム、イ・ユジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1016467.html韓国語原文入力:2021-10-25 13:59
訳D.K

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