新型コロナウイルス感染症ワクチンの国際共同購入・配分プロジェクトであるCOVAXが、北朝鮮に中国産のシノバック製のワクチン297万9600回分を配分した。18日(現地時間)、米国の「ラジオ・フリー・アジア」(RFA)が世界保健機関(WHO)平壌事務所長とGAVIアライアンス(世界ワクチン免疫連合)の報道担当の言葉を引用してこのように報道した。統一部当局者も19日、「シノバック支援問題と関連してCOVAXと北朝鮮当局の協議が行われていると聞いている」とし、事実上関連内容を確認した。
世界保健機関のエドウィン・サルバドール平壌事務所長は「COVAXがワクチン支援対象国に新型コロナワクチンを配分する際、北朝鮮にはシノバック製のワクチンを297万回分割り当てた。この提案に対する北朝鮮の回答を待っている」とRFAに明らかにした。同放送によると、GAVIアライアンスの報道担当も「COVAXの第6回新型コロナワクチン分配手続きを通じて北朝鮮にシノバック製ワクチン297万9600回分が配分された」とし、「GAVIアライアンスはこのワクチン支援が実現されるよう北朝鮮と協議を行っている」と述べたという。
COVAXは今年初めにアストラゼネカ製ワクチン199万2000回分を北朝鮮に割り当てたため、今回のシノバック製ワクチンまで合わせると、これまで北朝鮮に割り当てられたワクチンは500万回分に達する。
サルバドール所長は「北朝鮮はこれまで予防接種で良い実績を収めてきた」とし、「低温流通(コールドチェーン)実行計画とモニタリングなどに対する適切な技術支援があれば、北朝鮮の接種体系と流通網でも新型コロナワクチンの接種を進めることができる」と述べた。さらに「すべてのワクチン支援対象国に提供されるワクチン運送支援(CDS)の基金後援を北朝鮮に提案した」とし、「北朝鮮が関心を示せば、WHOと国連児童基金(ユニセフ)がGAVIアライアンスに提出する提案書の作業を始める」と付け加えた。
しかし、COVAXが北朝鮮に割り当てた新型コロナワクチンの供給が実際に行われるかどうかは、まだ予測できない。今年初めに配分されたアストラゼネカ製ワクチンもまだ供給されていないからだ。これに先立ち、韓国の国家情報院傘下の国家安保戦略研究院は、7月9日にソウルのフォーシーズンズホテルで開かれた「北朝鮮情勢ブリーフィング」で、「北朝鮮はCOVAXを通じて導入する予定だったアストラゼネカ製ワクチンの副作用を懸念して受け入れを拒否し、他のワクチンへの代替可能性を打診している。ただし、中国産ワクチンは(効能に対する)不信感から導入をためらっている」と明らかにした。