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韓国の首都圏で「デルタ株」が急速に拡大…新しい距離措置の施行も1週間延期

登録:2021-07-01 06:01 修正:2021-07-01 08:12
弘益大学周辺・英語教室で200人台の集団感染 
デルタ株検出され…さらなる感染拡大への懸念高まる 
新規感染者数794人…68日ぶりに最多 
ソウル・京畿・仁川、防疫緩和見送る 
会食は4人まで、営業は夜10時までの制限を維持
先月30日午後、ソウルのある酒場の店長が新しい距離措置の施行に備えて掃除などをしながら開店準備をしている。しかし、7月1日に施行される予定だった新しい距離措置の適用は、ひとまず1週間猶予された//ハンギョレ新聞社

 ソウル麻浦区(マポグ)弘益大学前の居酒屋と京畿道・仁川(インチョン)の英語教室を中心に広がった集団感染の患者数が、発生から10日で213人に増えた上、この事例からデルタ株が初めて確認された。首都圏を中心に新型コロナが急速に広がりを見せている。韓国政府は、ソウル市や京畿道、仁川市などの地方自治体の提案を受け入れ、7月1日から予定されていた新たな距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)再編案の実施を、首都圏のみ1週間猶予することにした。ただ、接種完了者を私的な集まりの人数制限の集計から外し、1回以上の接種者には屋外マスク着用の義務を免除するなど、接種者にインセンティブを与える案は予定通り1日から施行することにした。

 中央災害安全対策本部(中対本)は30日午後「新しい距離措置体系の適用を1週間猶予することにしたソウル市と京畿道、仁川市など首都圏地方自治体の自主的な決定を尊重し、1週間の猶予期間を設けることに同意する」とし、「地方自治体と共に首都圏の流行を安定させるのに総力をあげる」と明らかにした。中対本の発表に先立って、同日午後、ソウル市を皮切りに、京畿道や仁川市などの首都圏の自治体は新しい距離措置の猶予案を先に決めた。

 ただし中対本は「予防接種のインセンティブは社会的距離措置とは別に、1日から全国的に施行されるもので、首都圏でも同様に適用される」とし、「これは首都圏の自治体も同意している原則」と明らかにした。中央事故収拾本部のソン・ヨンレ社会戦略班長は「屋外マスク着用義務の免除に関するインセンティブについては、自治体が今後別途の行政命令を通じてマスクを室外でも義務的に着用させる権限を持っている」と付け加えた。

 中央防疫対策本部(防対本)が同日発表した0時基準の新規感染者は計794人(国内発生=759人、海外からの流入=35人)だ。700人台への新規感染者数は先月5日(744人)以降25日ぶりで、4月23日(797人)以来の最大規模となった。前日の595人から600人台を超え、800人台に迫る状況だ。

 感染者は首都圏を中心に増えている。国内の新規感染者759人のうち83%の631人が首都圏(ソウル368人、京畿234人、仁川29人)で発生しており、ソウルは一日の感染者数が年内最大規模を記録した。特に、今年6月19日に弘益大学前の居酒屋を訪れた京畿道在住の外国人とネイティブ講師全員の感染が確認され、これを機にほかの酒場の訪問客や、京畿道城南市(ソンナムシ)、富川市(プチョンシ)、高陽市(コヤンシ)、議政府(ウィジョンブ)、仁川市の英語教室の学生などに感染が相次いでいる。同日まで計213人の感染者が出たが、前日にもこれに関連する感染者51人が新たに確認された。

 また、この集団感染事例の一部を分析した結果、デルタ株への感染も9件確認された。防対本のパク・ヨンジュン疫学調査チーム長は「京畿の英語教室を中心とした集団感染で、デルタ株が前日確認された。麻浦区(マポグ)の居酒屋も疫学的な関連があり、ここにもデルタ株の影響があると見られる」とし、「この集団の感染者らは変異ウイルス感染者に準じて管理している」と述べた。防疫当局が213人にまで増えた弘益大学周辺の居酒屋や英語教室の集団感染事例をデルタ株の拡散とみなして対処しているということだ。

 特に「ラバンバ」、「ジェンバ」などクラブやパブ、バーの形で運営されていたソウル弘益大学前の酒場8軒では、客や関係者の名簿の作成が不完全であるため、地方自治体が感染の恐れがある人たちを完全に見つけられず、感染拡大傾向がさらに拡大する可能性もある。中対本とソウル市では前日から2日間、安全案内メールで6月16日から28日までここを訪れた人に検査を受けるよう要請している。もし防疫網にかからず、本人の感染可能性を知らなかったり、検査を避ける人が多くなれば、この集団感染を媒介にデルタ株が首都圏に大規模に広がる分岐点になる可能性もある。パク・ヨンジュン・チーム長は「自治体が調査したところ、手書き名簿の字が識別しにくいところもあり、感染者の発生規模からみて(出入者の管理が)不完全な部分があり、災害メールを発送した」と述べた。

 これによって首都圏では6~8人まで個人的な集まりの人数制限の緩和、夜12時まで食堂やカフェ、遊興施設など大衆利用施設の営業時間の延長許可を骨子とした新しい社会的距離措置の改編案と過渡期移行案の適用が、少なくとも1週間猶予される。これまでの防疫規則に従って、4人までの私的な集まりの人数制限と、夜10時までの食堂・カフェなどの営業制限がそのまま維持される。

キム・ジフン、キム・ヤンジン、ソ・ヘミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1001650.html韓国語原文入力:2021-07-01 02:12
訳H.J

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