今年7月23日に開幕する東京五輪・パラリンピック期間中、東京で緊急事態に準ずる「まん延防止等重点措置」が施行される可能性が高くなった。
毎日新聞は「政府が新型コロナウイルス対策で10都道府県に7月11日までの期限で適用している、まん延防止等重点措置について、東京都などで延長する調整に入った」と30日付で報じた。同措置が2~4週間延長された場合、東京に厳しい防疫対策が施行される中で五輪が開幕することになる。同措置が適用されれば、飲食店の営業時間制限なども実施される。
日本政府がまん延防止等重点措置の延長を検討しているのは、東京の感染状況が当初の予想より深刻であるためだ。東京は29日一日の新規感染者が476人を記録し、10日連続で前週の同じ曜日を上回る感染者が発生した。東京は緊急事態宣言が解除された21日の新規感染者数は236人だったが、23日には619人に急増し、平日は400~600人台、週末は300人台を維持している。日本政府は東京での感染状況が「爆発的な感染拡大」を意味するステージ4に迫っているとみている。
菅義偉首相は前日の自民党役員会で「首都圏は(新規感染者数が)やや増加傾向にあり、必要な対策を機動的に講じたい」と述べた。新型コロナ政策を任されている西村康稔経済再生担当相も記者会見で「感染者が増えれば、緊急事態宣言なり、まん延防止措置で感染を抑える」と強調した。
まん延防止等重点措置が延長されれば、五輪期間中の観客の規模も問題になる。日本政府は同措置が解除されることを条件に、収容定員の50%の範囲内で最大1万人まで国内観客を受け入れる方針を決めた。ただでさえ五輪に対する世論が良くない中、「無観客」開催に対する要求がさらに高まるものとみられる。同紙は「菅首相はまん延防止措置下の五輪観客数について、プロ野球と同じく最大5000人にしたい考えだ。しかし厚生労働省と内閣官房で『無観客にせざるを得ない』との意見が強い」とし、調整は難航する可能性があると報じた。日本政府は今月8日、まん延防止等重点措置の延長を決定する予定だ。
一方、東京五輪の練習のため来日する外国選手団に対する防疫対策も大幅に強化される。今月中旬に来日したウガンダ選手団の中で、インド発の変異ウイルスであるデルタ株が確認され、遅れて対策作りに乗り出したのだ。読売新聞は同日、「海外選手らに感染者が判明した場合、一緒に合宿するコーチや他の選手ら全員をいったん隔離して、練習の停止を求めることを(ホストタウン向けの指針に)明記する」と報じた。濃厚接触者ではないことが確認され、陰性判定を受けた場合は、練習を再開できる。