イム・ドンウォン元統一部長官は15日、「米国が北朝鮮と関係を正常化する決断を下せば、(北朝鮮)核問題は解決できる」と述べた。
イム・ドンウォン元長官は同日、ソウル龍山区(ヨンサング)の白凡金九記念館で「民主平和広場朝鮮半島平和本部」の主催で開かれた6・15南北共同宣言21周年記念特別懇談会で、「南北がいくらうまくやろうとしても、米国がブレーキをかければ前に進めなかったのが、過去30年間の歴史の経験」だとし、このように述べた。イム元長官は「南と北が力と息を合わせて進んだ時、米国を説得することができた」とし、「結局、重要なのは米国の決断」だと繰り返し強調した。イム元長官は「米国はジミー・カーター大統領が(1979年に)中国と国交を結び、ビル・クリントン大統領は(1995年に)ベトナムと、バラク・オバマ大統領は(2015年に)キューバとそれぞれ国交を正常化した」とし、「冷戦が終わった後、米国が敵対関係を解消せずに維持した唯一の国が北朝鮮」だと指摘した。さらに「中国やベトナム、キューバと敵対関係を解消し、国交を結んだ米国大統領はすべて民主党所属だった」とし、「私はバイデン米大統領に大きな期待をかけている。バイデン大統領が北朝鮮との敵対関係を解消し、核問題を解決できると思う」と述べた。
イム元長官は「国際関係においては、永遠の友もいなければ、永遠の敵もいない」とし、「米国の決断次第で、核問題の解決と朝米関係の正常化は可能だ」と繰り返し強調した。
南北関係の改善および朝鮮半島平和プロセスの再稼働と関連し、チョン・セヒョン元統一部長官(民主平和統一首席副議長)は「8月に予定された韓米合同軍事演習を中止することを明確に表明しなければならない」とし、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国防部長官に『訓練をしない方向で米国と協議するよう』、はっきり指示すべきだ」と述べた。チョン元長官は「韓米訓練を中止すれば、(南北・朝米関係が急速に進展した)2018年春のような状況を再現することができるが、もし訓練を行えば、朝鮮半島情勢は(長期こう着を脱することができず)このまま行くことになる」とし、「大統領の決断が必要だ」と指摘した。
司会を務めたムン・ジョンイン世宗研究所理事長が「韓米軍事演習を中止するためには、北朝鮮が先に動いて韓国に(決断する)名分を与えなければならないのではないか」と尋ねると、民主平和広場の共同代表でもあるイ・ジョンソク元統一部長官(世宗研究所首席研究委員)は「韓米合同軍事演習が重要なのか、非核化がもっと切迫しているのか、戦略的決断を下し、それに従って動かなければならない」と指摘した。「演習の中止」が必要だという意味だ。
イム・ドンウォン元長官も、ムン理事長の同じ質問に対し、「二方(チョン・セヒョン、イ・ジョンソク両氏)の見解に同意する」と述べ、朝鮮半島平和プロセスを再稼働するためには、韓米合同軍事演習の中止が必要だとの意見を示した。
イ・ジョンソク元長官は「韓米同盟間にも問題があれば、国際公論の場で論議しようと言えるほどの勇気がなければならない。また、北朝鮮の過ちを指摘できる道徳的優位を確保するためには、韓国が南北合意を誠実に履行しなければならない」とし、「今、われわれには自主的、主導的立場がいつになく求められている」と述べた。