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ユン・ソクヨル前検察総長「憤らない国を作る」…韓国大統領選出馬を強く示唆

登録:2021-06-07 05:17 修正:2021-06-07 06:57
5日、顕忠院を訪れ参拝
ユン・ソクヨル前検察総長が5日、国立顕忠院を訪れ参拝している=ユン前総長側提供//ハンギョレ新聞社

 野党の有力大統領候補であるユン・ソクヨル前検察総長は、顯忠日の前日の5日、ソウル国立顕忠院を訪れ参拝し「祖国のために犠牲となった方々が憤らない国を作る」と明らかにした。顕忠院に参拝し“良い国を作る”というメッセージを発したことから、大統領選挙への出馬を強く示唆したものと読みとれる。

 ユン前総長側は5日午前、同氏が顕忠院の忠魂塔の地下にある無名戦士の碑と位牌奉安室を訪れて献花し、参拝したとメディアに公開した。一般墓地ではベトナム戦争と対スパイ作戦の戦死者の遺族に会い、慰めの声をかけたという。ユン前総長は芳名録に「祖国のために犠牲となった方々が憤らない国を作る」と書いた。同氏は、検察総長在任中の1月4日の顕忠院への新年参拝では、「祖国に献身した烈士の意を敬い、正しい検察を作る」と書いた。当時は検察トップとして自らが作るとした対象は「正しい検察」だったが、今回は「国」に変わった。大統領になるという夢を事実上、公にしたわけだ。顕忠院は、高位公職者や政党代表などの有力者が任期の開始前に参拝し「為国献身」を確かめる象徴的な場所だ。そこでの「殉国烈士が憤らない国」を作るとした誓いは、文在寅(ムン・ジェイン)政権の「自分の過ちを棚にあげ、他人を非難する」態度に怒っている中道・保守支持層に呼応したもので、「反文在寅戦線」の急先鋒として政権交替に乗りだすという強い意味だと読みとれる。ユン前総長と親しくしていると明らかにしたある「国民の力」の議員は、本紙に「第一歩として、次期大統領選への挑戦の意志を初めて自分の口から公に明らかにしたもの」だと言い「顕忠院という象徴性に加え、『反文在寅のイメージ』を強化するための文言をわざわざ強調したものとみられる」と述べた。

ユン・ソクヨル前検察総長が5日に作成した芳名録。「祖国のために犠牲となった方々が憤らない国を作る。2021.6.5. ユン・ソクヨル」と書いてある=ユン前総長側提供//ハンギョレ新聞社

 ユン前総長側の関係者は「普段から将兵らの犠牲に対する補償などに関心が高かった。出馬宣言などとは関係ない」とし、一線を画しているが、「国民の力」全党大会以後、「ユン・ソクヨル登板説」には重みが増している。ユン前総長は最近、ユン・ヒスク議員、チョン・ジンソク議員、クォン・ソンドン議員ら「国民の力」の議員たちと相次いで会った事実が知られ、入党説が強くなってもいる。

チャン・ナレ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/998196.html韓国語原文入力:2021-06-06 19:31
訳M.S

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