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ユン前検察総長の義母、マンション事業の過程で「農地法違反」にあたる投機の疑い

登録:2021-04-05 09:31 修正:2021-04-05 13:27
義母、楊平の農地を違法購入の疑い 
農民ではないのに農地900坪・林野数千坪 
2006年に不動産会社を設立し集中買い入れ 
家族会社に購入時の安値で「違法贈与」論議も 
 
楊平郡、不審な用途変更 
義母の土地購入後、LH事業を白紙化 
翌年100%緑地を開発区域に承認 
義母側、承認を承認後すぐに農地を追加で購入
ユン・ソクヨル前検察総長が4月7日の再・補欠選挙の事前投票初日である今月2日、ソウル西大門区南加佐1洞住民センターに設けられた事前投票所で投票を行った/聯合ニュース

 ユン・ソクヨル前検察総長の義母C氏(75)とC氏の子らが、京畿道楊平郡(ヤンピョングン)でマンション建設事業を行う過程で、C氏が周辺一帯の農地数百坪を買い入れた事実が確認された。農業を営む農民だけが農地を買えるように定めた農地法に違反した典型的な投機手法という指摘が出ている。特にC氏は、この過程で公示地価が少なくとも2倍以上上がった土地を、買入価格のまま子らが株主となっていた家族会社に売却し、違法贈与の議論も提起されている。

 本紙の取材の結果、C氏は自身が代表である不動産開発会社ESI&Dを通じて、2006年12月6日に京畿道楊平郡楊平邑の林野1万6550平方メートルを購入し、同月、自分の名義で公興里(コンフンリ)259番地などの一帯の農地5筆(2965平方メートル、約900坪)も買い入れた。ESI&Dは、C氏とC氏の子らが株式を100%所有している家族会社だ。営農法人でない不動産開発会社は法律上農地を買うことができないため、比較的緩やかに管理されてきた個人名義での農地取得を選んだという疑惑が起きている。

 専門家らは、C氏が会社設立の翌日から1カ月間、林野数千坪と農地を相次いで購入したことについて、典型的な投機手法だと指摘している。農地法上、農地は自耕の目的でなければ所有することができない。ある農地法の専門弁護士は「最初から農業ではなく、不動産開発目的で農地を購入したものとみられる。農地法違反の可能性が高い」と指摘した。C氏は1993年にも農地法違反で罰金刑を受けている。

 当時の楊平郡の不審な仕事ぶりも波紋を呼んでいる。C氏が土地を買う6カ月前に、韓国土地住宅公社(LH)はこの一帯に国民賃貸住宅を建てる「楊平公興第2地区事業」を進めていた。しかし、楊平郡が同事業に反対し、韓国土地住宅公社は2011年7月、住民と地方自治体の反対を理由に同事業の取り消しを決定した。

 C氏は待っていたかのように事業中止直後の2011年8月、楊平郡にこれらの土地を都市開発区域に指定するよう要請。楊平郡は翌年の2012年11月、都市開発区域の指定を承認した。問題は楊平郡の承認前にC氏が近隣農地46平方メートルをさらに購入し、ESI&Dも会社名義で林野2585平方メートルを追加で購入したという点だ。事業承認を確信していなければ容易にはできないことだ。

 2012年の楊平郡の都市開発計画告示をみると、事業対象の土地は国土海洋部所有の道路を除けば、すべてC氏とC氏が代表を務めたESI&Dの所有だった。楊平郡は100%自然緑地である当土地2万2199平方メートルのうち、1万6654平方メートルを「第2種一般住居地域」に変更した。この過程で農地法違反なども把握することは難しくなかったが、事業はそのまま通過した。ある業界関係者は「形質変更の場合も土地の価値が変わる相当な特恵だが、このような手続きは非常に異例」だとし「農地法違反も管轄の自治体が誰の土地なのか分からないはずがないのに、これを追求しなかったのは釈然としない」と指摘した。

 その後、C氏は2014年6月に施工契約を結び、マンション分譲を始めた。C氏とESI&Dはこの建設事業で800億ウォン台の分譲売上と100億ウォン(約9億8千万円)近い純収益を上げたという。

C氏とESI&Dが買い入れた農地と林野は、マンション建設が確定した2014年の公示地価が購入当時より2倍以上上がった。左側は該当する土地周辺の2008年の様子であり、右側は最近の様子=カカオマップよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 建設事業過程でC氏の違法贈与の疑惑も提起されている。C氏は2014年5月、分譲を控えて自分が持っていた土地を2006年に購入した価格(5億ウォン、約4900万円)でESI&Dに売却した。公示地価だけでも2倍以上上がった土地を、8年前の価格で売却したのだ。市民団体「税金泥棒を捕まえろ」のハ・スンス共同代表は「相場より安く土地を売却して会社の株式を所有した子らが経済的に利得を得たならば、脱税とみなされる」と指摘した。ユン前総長の妻のキム・ゴンヒ氏は、C氏が土地を家族会社に売却するまではESI&Dの社内取締役だったが、2014年6月にマンション施工契約直後に理事職を辞任し、同年、持分も処理した。

 一方、C氏は2001年にも土地開発が予定された忠清南道牙山市(アサンシ)一帯の土地を競売で約30億ウォン(約29億円)で落札し、3年で土地補償金など約132億ウォンを手に入れたことが明らかになり議論になっている。

 本紙はC氏とユン前総長にC氏の農地法違反疑惑などに対する立場を聞くため、数回電話をかけショートメールを送ったが、返事はなかった。

イ・ジュンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/989602.html韓国語原文入力:2021-04-05 07:10
訳C.M

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