日帝強占期(日本の植民地時代)に強制隔離されたハンセン病元患者の家族たちが日本政府を相手取って補償を請求している中、被害者の弁護団は「日本政府は補償を拒否しないだろう」との展望を示した。日本国民の被害者も存在することから、日本政府も日本軍「慰安婦」被害者とは異なり、ハンセン病元患者の家族被害者に対する補償には積極的だろうとの理由からだ。
韓日両国の弁護士からなるハンセン病家族補償請求弁護団は26日、ソウル瑞草区瑞草洞(ソチョグ・ソチョドン)のソウル地方弁護士会教育文化館で記者会見を開き、韓国のハンセン病元患者の家族被害者62人が日本政府に対して補償を請求した経緯と過程などを説明した。補償を請求したハンセン病元患者の家族たちは、植民地期に日本による差別と人権侵害行為に苦しんだハンセン病元患者の子どもたちだ。日本政府はハンセン病元患者家族補償金支給法に則り、ハンセン病患者隔離政策を反省し謝罪するという観点から、1945年8月15日以前に生まれたハンセン病元患者の子どもや配偶者などに180万円を補償している。韓国の被害者たちは19日に日本の厚生労働省に補償請求書を提出した。
この日の記者会見で両国の弁護団は、韓国の被害者が補償を申請するまでには長い時間がかかったと説明した。日本が全羅南道小鹿島(ソロクト)に慈恵医院を建て、国内のハンセン病患者の隔離を始めたのは1917年。この場所で日本はハンセン病患者を強制労働に動員し、断種(強制不妊)手術を実施するなど、人権侵害行為を日常的に行った。国内外のハンセン病患者隔離の根拠となった「らい予防法」を日本がようやく廃止したのは1996年のことだった。
紆余曲折の末、日本は2006年、「韓国、台湾などの他国のハンセン病患者被害者にも補償金を支給する」ことを趣旨とするハンセン病補償法の改正を行い、2006年から2016年にかけて韓国のハンセン病患者被害者590人は1人当たり800万円の補償金を受け取った。2019年にはハンセン病元患者の家族に対しても被害を補償するという「家族補償法」が制定され、韓国のハンセン病元患者の家族も少しでも被害に対する賠償を受け取れる道が開かれた。日本側弁護団の国宗直子弁護士はこの日の記者会見で、「家族補償法には『昭和20年8月15日までの間にあっては、台湾、朝鮮等も『本邦』と同様の取扱いとすること』と明記されているため、この法により(日本政府が)補償を拒否することはありえない」と述べた
ハンセン病患者に対する日本政府の見方は、日本軍「慰安婦」被害者や強制徴用被害者たちに対する時とはまったく異なる。家族補償法の前文には、「(強制隔離という)悲惨な事実を悔悟と反省の念を込めて深刻に受け止め、深くおわびする」と記されているほどだ。しかし、日本軍「慰安婦」や強制徴用被害者に対する謝罪と賠償責任は拒否している。
国宗弁護士は「『慰安婦』問題や強制徴用問題と異なる点は(ハンセン病被害者には)補償法があるということ」とし、「日本は本国と韓国、台湾に徹底してハンセン病政策を実施した」と語った。日本はかつて、自国民に対しても隔離政策をとって被害者を量産したため、他国の被害者に対する責任も認めざるを得ないという説明だ。2005年に東京地裁が台湾のハンセン病被害者に対する日本政府の賠償責任を認めた判決文にも、「(日本の被害者のみに補償し)台湾の被害者に補償しないのは憲法第14条の平等原則に反する」という表現が出てくる。
ハンセン病元患者被害者の家族である在日同胞ファン・グァンナムさんはこの日の記者会見で、「ハンセン病被害者家族訴訟が始まったのは2016年2月からで、3年間法廷で訴え、2019年6月に勝訴した」とし「それが家族補償法の成立へとつながり、補償が受け取れるようになった。今後もハンセン病患者に対する差別のない社会を作っていく」と述べた。ハンセン病患者家族補償請求弁護団の団長を務めるチョ・ヨンソン弁護士は、「被害者に会って、2次、3次の補償請求を行う計画」と述べた。