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ファイザー製ワクチン、韓国で接種第1号は病院の清掃労働者「海外旅行に行きたい」

登録:2021-03-01 01:41 修正:2021-03-01 08:39
ワクチン接種、2日間で2万322人終了 
異常反応112件…いずれも軽症
27日午前、ソウル市中区乙支路の国立中央医療院中央予防接種センターで、医療スタッフがファイザーのワクチンの接種を受けている=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 27日、国立中央医療院内の中央予防接種センターには緊張と期待が同時に漂っていた。前日にアストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンの接種が開始されたのに続き、この日はファイザーのワクチンの接種が開始された。ファイザーのワクチンは、マイナス60~90度の超低温状態で保管されているため、接種前に解凍が必要で、緊張感はさらに高かった。この日の注射準備室には前日に解凍された注射液が用意されており、医療スタッフは解凍されたワクチンバイアル(瓶)のふたの部分をアルコール綿で拭き、特殊注射器で薬剤を小分けにした。ファイザーのワクチン接種者第1号となった国立中央医療院の清掃労働者チョン・ミギョンさんは接種後、「マスクを絶対に取りたい。海外旅行にも行きたい」と語った。オ・ミョンドン中央予防接種センター長は「ファイザーのワクチンは、最も重要なのが保管温度で、接種までの定められた時間内でこの条件を守らねばならない」とし「コールドチェーン維持の練習を何度も行った」と述べた。

27日、ソウル市中区乙支路の国立中央医療院中央予防接種センターで、清掃労働者チョン・ミギョンさんが、韓国で最初となるファイザーのワクチンの接種を受けている=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 韓国内のコロナワクチン接種は今月26日に第一歩を踏み出し、2日間で2万322人が第1次接種を終えた。2日間で報告された異常反応の疑われる事例は112件で、いずれも予防接種後によく見られる軽症だった。

 28日、コロナ予防接種対応推進団は「28日午前0時現在で、過去24時間以内に1217人が新規に接種を受け、累計2万322人が1次接種を完了した」と発表した。26日に1万9105人が接種したのに続き、27日には1217人が接種した。国内人口(5200万人)に対する接種率は0.039%。すべての接種者のうち、アストラゼネカのワクチンを接種した65歳未満の全国の療養病院、高齢者療養・精神療養・リハビリ施設の従事者・入所者は2万9人(接種率6.5%)。13人のコロナ1次対応要員もアストラゼネカのワクチンを接種した。国立中央医療院の従事者199人と首都圏のコロナ患者治療病院の従事者101人の計300人(接種率0.5%)はファイザーのワクチンの接種を受けた。推進団予防接種管理班のチョン・ギョンシル班長は「接種予定者が当日に体調が悪いなどの理由で接種ができなくなった場合は、余った量を1次対応要員に接種した」と説明した。

 接種規模は、休日が終わる2日から本格的に拡大する見通しだ。先に推進団は、療養病院などに送った予防接種指針で、「なるべく平日に接種を行い、週末や休日は異常反応が発生した場合は対応が困難となり得るので、接種を控えるように」との留意事項を伝えている。26日に比べて27日の接種者数が大幅に少なかったのはこのためだ。28日午前10時35分には、京畿道利川(イチョン)の物流倉庫から出庫されたアストラゼネカのワクチン100人分が軍のヘリに積まれて鬱陵島(ウルルンド)に到着した。このうち50人分は、鬱陵島の高齢者療養病院に配送される。

 2日間で、異常反応の疑われる接種者は112人が報告されている。内訳は、アストラゼネカのワクチン接種者2万22人から111件、ファイザーのワクチン接種者300人から1件。異常反応は大半が頭痛、発熱、吐き気、嘔吐などの軽微な症状だった。「アナフィラキシー(急性の重いアレルギー反応)」はなかった。政府は、早ければ3月からワクチン接種者の免疫抗体保有率や抗体持続期間などを調査する方針だ。

 この日、中央災害安全対策本部(中対本)は、療養病院などでワクチン接種が始まったものの、2次接種を終えるまでは現在より厳しい従事者管理対応を行うことを明らかにした。現在は、療養病院の従事者に対して週2回の周期的診断検査が義務付けられている。

 これに加え今後は、療養病院の感染管理責任者が、有症者の点検結果や先制検査の実績などを地方自治体の担当公務員に毎日報告しなければならない。また、看病人(患者の食事、排泄などの介護をする人)の循環勤務をやめ、できるだけ特定病室専従制で運営することを勧告した。国民健康保険公団の日々報告システムを用いて従事者の先制検査率を分析し、検査率が低い療養病院などに対しては随時点検も行われる。休暇・外出からの復帰者、高危険地域・施設の訪問者、有症者が、随時PCR検査または迅速抗原検査が受けられるよう、検査システムも構築する。中対本のクォン・ドクチョル第1次長は「多くの国で、ワクチン接種開始直後に防疫の緊張感が緩んだせいか、むしろ患者数が増加しているということを決して忘れてはならない」とし「積極的に予防接種に参加するとともに、常に防疫守則を必ず守ってほしい」と述べた。

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/984838.html韓国語原文入力:2021-02-28 19:12
訳D.K

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