韓国政府は、2月から実施する全国民を対象とした新型コロナウイルスワクチンの予防接種計画を明らかにした。新型コロナ感染者の治療に当たる医療スタッフ5万人がまず接種を受け、11月までに国民の70%のワクチン接種を完了させ、集団免疫を達成することが目標だ。
政府が28日に発表した「日常回復に向けた新型コロナ予防接種計画」によると、2月には新型コロナ拠点専門病院の医師・看護師ら5万人と、療養病院や療養施設などの入所者・従事者78万人がワクチン接種を開始する。続いて3月中旬からは、重症患者が多く訪れる上級総合病院・総合病院・病院に勤務する保健医療関係者、新型コロナの1次対応要員である119救急隊、疫学調査・検疫要員、検体検査および移送要員など44万人が接種を受ける。チョン・ウンギョン疾病管理庁長は「アストラゼネカのワクチンの供給が予定されている2月の最終週ごろから接種が始まると見ている」と述べた。最初の接種者が誰になるかは未定。
第2四半期の5月からは65歳以上の高齢者や、高齢者・障害者・ホームレスなど向けのコロナ脆弱施設の入所者および従事者などへの接種が開始される。高危険医療機関ではない病院と薬局で働く保健医療スタッフ38万人を含めると、第2四半期の接種対象は合わせて850万人。第3四半期には50~64歳の成人、慢性疾患を持つ成人、軍人・警察・消防および社会基盤施設の従事者、小児・青少年教育・保育施設の従事者、18~49歳の成人など、全国民が対象となる。小児・青少年と妊娠中の女性は、とりあえずは接種を受けないこととなっているが、臨床結果次第では接種することもあり得る。政府は重症発生リスク、医療・防疫体系の維持、コロナの感染特性などを考慮して接種の順序を決めたと説明している。
政府は、ファイザーとモデルナのワクチンは全国250カ所の接種センターで、アストラゼネカとヤンセンファーマのワクチンは約1万カ所の指定の民間委託医療機関で接種を実施する計画だ。療養病院・療養施設、精神療養・リハビリ施設の入所者・従事者78万人には2月から、重度障害者居住施設の入所者と従事者39万人には5月から「訪問予防接種サービス」を実施する。
登録証を持つ長期滞在外国人は、韓国人と同様の順序で接種する。チョン庁長は「未登録外国人は必要と判断された場合、接種を進める予定」と述べた。出国希望者は、必要不可欠な公務や重要な経済活動で緊急の場合に限って、所管省庁の厳格な証明を経て第2四半期から優先接種が受けられる。
専門家は、政府は今よりきめ細かく実行計画を立てるべきだと指摘する。ソウル大学保健大学院のキム・チャンヨプ教授は「(接種の)優先順位の原則を明らかにすることと、実際の現場で実行に移すこととは別」とし「行政的に十分に把握し管理できない少数者や脆弱階層が、実際に接種を実施する過程で排除されたり不平等な状況に置かれたりしないよう、実行計画をより具体的にするべき」と述べた。