韓国政府は、2月から集団生活施設に滞在する高齢者や医療スタッフを対象に新型コロナウイルスワクチンの接種を開始し、その後、第2四半期には65歳以上の一般高齢者への接種を実施する計画だ。国民の大多数は自宅に近い医療機関などで接種を受けることになり、体の不自由な療養病院や療養施設の高齢者は、訪問した医療スタッフから接種を受けることになる。
保健福祉部、食品医薬品安全処、疾病管理庁は25日、このような内容を含む「全国民順次無料接種」対策を文在寅(ムン・ジェイン)大統領に報告した。四半期ごとの具体的なコロナワクチンの接種日程が公開されたのは、今回が初めて。この日公開された対策によると、第1四半期には療養病院および高齢者医療福祉施設の入所者と高危険医療機関の従事者に対する1次接種が始まる。第2四半期が始まる4月からは、65歳以上の高齢者と医療機関・在宅高齢者福祉施設の従事者への接種が行われる。続いて第3四半期が始まる7月には、慢性疾患を持つ人と19~64歳の成人の1次接種が始まり、第4四半期が始まる10月からは、2次接種と未接種者への接種が順次行われる予定だ。
警察、消防公務員、軍人、小児・青少年教育・保育施設の従事者なども優先接種対象者リストに載るとみられる。チョン・ウンギョン疾病庁長はこの日のブリーフィングで「消防や警察、軍部隊などの、国の必須機能を維持する従事者についても、優先接種が検討されている」とし「外交・公務または経済活動などで国外に行かねばならない必須人材も、公正な手続きを経て接種を(優先)実施する方策が必要だと思う」と説明した。
政府は、すでに確保した5600万人分のワクチンに加え、ノババックスのワクチン2000万人分の購入契約を進めている。これを基礎として、今年9月までに全人口の70%(優先接種対象者の80%)に対する1次接種を終える計画であることを政府は明かした。確保した物量は人口の108%程度だが、「ワクチン接種が強制されるわけではないため、最大限の勧告を通じて70%の接種率を達成する」のが目標だ。
政府は、国民の大多数が「近い所」で接種できるよう、全国250カ所にmRNAワクチン(モデルナ、ファイザー)接種センターを構築するとともに、アクセスの良い1万カ所の医療機関をウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ、ヤンセンファーマ)接種機関に指定する計画だ。これに向け、それぞれに6000人と2万5000人の医療スタッフおよび行政スタッフが必要となるため、関係省庁や医療界と協議を進めている。ただし療養病院などに居住する高齢者には「訪問予防接種サービス」が提供される。高麗大学安山病院のチェ・ウォンソク教授(感染内科)は「mRNAワクチンはマイナス20度または70度で流通・保管されなければならず、常温にさらされれば、それから5日以内に使用しなければならない」とし「このため集団施設の訪問接種の際には、ウイルスベクターワクチンが使用される可能性が高い」と述べた。
現在までに告知されているワクチンの導入日程を総合すると、2月中にはアストラゼネカのワクチンの一部が導入され、それより前に「COVAXファシリティ」(ワクチン共同購入のための国際的枠組み)の最初の物量が導入される。COVAXからの最初の物量はファイザーのワクチンが有力視されている。キム・ガンニプ食薬処長は「手続きに問題がなければ、2月第2週には世界保健機関(WHO)のCOVAXワクチンに対する承認が下りると予想される」と述べた。WHOの承認を受けたワクチンは、韓国での承認前でも、特例輸入手続きを経て直ちに使用が可能となる。
ヤンセンファーマとモデルナのワクチンは第2四半期から段階的に導入され、第3四半期には先行購入したファイザーのワクチンが本格的に入ってくる。これと関連し、食薬処はこの日、ファイザーのワクチンに対する品目承認申請について、承認審査に着手したことを明らかにした。