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外交部次官、イランに「船員の早期解放を要求」…返答はなし

登録:2021-01-13 01:43 修正:2021-01-13 08:34
外相などと面談も 
イラン「凍結資金の解決努力が不足」 
抑留事態の長期化は不可避か
チェ・ジョンゴン外交部第1次官(中央左)が11日(現地時間)、イランの首都テヘランで同国のモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相(中央右)と会談している=テヘラン/AP・聯合ニュース

 チェ・ジョンゴン外交部第1次官は、モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相らイランの主要関係者と会談し、抑留されている韓国船舶と船員の早期解放を求めたが、はっきりとした回答は得られなかったと見られる。船員たちの抑留は長期化する兆しを見せている。

 外交部のチェ・ヨンサム報道官は12日の定例ブリーフィングで「チェ次官が現地時間10日と11日にザリーフ外相、最高指導者の外交顧問カマル・ハラジ氏、イラン中央銀行のアブドルナーセル・ヘンマティー総裁などと相次いで会談し、『最近抑留された韓国の船舶と船員、および第三国国籍の船員などの早期抑留解除を望む』との立場を強く表明した。イランは、同国が発表したように(韓国に凍結されている70億ドルにのぼるウォン資金問題などについて)イラン側の立場を明らかにした」と述べた。しかし、イランが10日に、資金凍結問題に対する韓国の「政治的意志の不足」に言及しつつ、「この問題を両国関係の最優先課題とし、問題解決に必要なメカニズムを見出すための真摯な努力を行え」との強硬な要求を行ったことを考慮すれば、政府が目標としていた抑留船舶と船員の早期解放は容易ではないと思われる。

 実際にチェ次官は、今回の訪問でイランの要求に応える画期的かつ具体的な案を提示しなかったとみられる。チェ報道官がこの日、「イランが『COVAXファシリティ』を通じたコロナワクチンの購入を希望し、そのためにウォン資金移転を要請してきたのは事実だ。政府はイランの希望を反映して、米国から特別承認を得るなどの一切の手続きを完備している。ただし、どのルートでワクチンを購入するかは全面的にイランが決定する問題だ」という従来の立場を繰り返したためだ。

 しかし国営イラン通信(IRNA)は11日、「イランは、韓国が米国の要求を考慮せずに、この問題を独立的に判断することを期待する」(ヘンマティー総裁)、「韓国が米国の圧力に屈したことを強く非難する。薬を買うために金を引き出すことすらできない」(ハラジ氏)との強硬な発言を紹介した。韓国は米国の顔色をうかがわずに「対イラン制裁」を迂回する方法を探り、イランに提示すべきという主張だ。こうした事情のためか、外交部は「早期に抑留が解除されるよう最善の努力を傾けているが、具体的な時期は予断できない」と述べている。

 抑留されている船員は、全員が健康で安全な状態だという。外交部当局者は「11日午前、船舶が停泊する場所に近い埠頭で、韓国領事が船員全員に対面接触を行い、健康な状態であることを確認した」と明かした。チェ次官は法務次官、イラン議会国家安保外交政策委員長などのイラン各界の要人と接触した後、現地時間12日夜に次の訪問地であるカタールへと向かう。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/978464.html韓国語原文入力:2021-01-12 17:32
訳D.K

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