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パク・チウォン国家情報院長が今月27日、国会で開かれた情報委員会全体会議で資料を確認している/聯合ニュース

　国家情報院（国情院）は27日、北朝鮮がドナルド・トランプ大統領時期の親交が無用の長物になり、ゼロ状態から再び始めることに対する不安をあらわにしていると明らかにした。

　国情院は同日、国会情報委員会の全体会議で「バラク・オバマ大統領時代の戦略的忍耐に回帰するのではないかという話をしている」とし「一方、トランプの時とは違ってシステム的接近が予想され、ジョー・バイデン大統領が金正恩委員長に面談を言及したことについては首脳会談の実現を期待してもいる」と報告したと、与党幹事である共に民主党のキム・ビョンギ議員が伝えた。キム議員は「システム的アプローチ」について、「トランプ大統領式の一方的な“トップダウン”方式ではなく、官僚による検討と政策研究を通じて“ボトムアップ”方式で行うということ」と説明した。

　バイデン氏の米大統領当選に慎重な態度を見せているとも明らかにした。キム議員は「通常10日以内に（米国の大統領選挙の）結果を報道していたが、今回は労働新聞および官営メディアなどすべて関連報道がない状況だという」と明らかにした。キム議員は「北朝鮮が海外公館にも米国を刺激するような対応をするなと言い、問題が発生すればその大使に責任を問うといって取り締まっているという。極度に発言には気を突けよという指示が下されているという」と述べた。

　また国情院は、北朝鮮が来年1月初めに開催すると予告した第8回党大会は、防疫問題などで遅延する可能性があると報告した。国情院は「北朝鮮が第8回党大会で軍事パレードを再び開催する予定だが、これは米国の新政権に対して軍事的に誇示する意図とみられる」と明らかにした。

　最近、物価上昇と産業稼働率の低下など経済難の中で、大物両替商を処刑するなど「非合理的な対応」をしているとも報告された。北朝鮮の金正恩国務委員長は先月末、急激なウォン高を理由に、平壌（ピョンヤン）の大物両替商を処刑し、今年8月には新型コロナウイルス感染症防疫のための物資搬入禁止令に違反した主要幹部を処刑したという。北朝鮮は海水が新型コロナに汚染されることを憂慮して、漁業と塩の生産まで中止したという。国情院は「北朝鮮が今月初め、恵山（ヘサン）と羅山（ナサン）、南浦（ナムポ）など外貨物品の搬入が確認された海上を封鎖し、最近は平壌と慈江道（チャガンド）を封鎖した」とし「統制措置が長期化して経済的な困難が大きくなっている」と説明した。

　中朝の貿易規模は今年1～10月に5億3000万ドルと、前年同期比4分の1水準に急減し、中国からの物資搬入の中断で砂糖や調味料など食料品の価格が4倍に跳ね上がったという。国情院によると、特に約1万6500ウォンだった調味料は7万5900ウォンに、年初には1キロ6000ウォン台だった砂糖は2万7800ウォンに跳ね上がったという。

　野党幹事の「国民の力」のハ・テギョン議員は、北朝鮮の産業稼働率が、原資材設備の導入中断の余波で金委員長が政権についてから最低の水準に落ちたとし「制裁、新型コロナ、水害という三重苦の加重で、危機感を強調する表現と用語が強くなっている」と説明した。ハ議員は金委員長について、「外部からの物資を受け取らずストレスが高まるため、感情過剰や怒りの表出もしばしばあり、そのため非合理的な指示も多くなっている」と付け加えた。ハ議員は「新型コロナのため外部物資を受け取らないことにひどく偏執している」とし、「中国が送ることにしたコメ11万トンが大連港にあるのに、北朝鮮に搬入をしていないという」と伝えた。

　北朝鮮が韓国国内の製薬会社のワクチン情報に対しハッキングを試みることもあったと明らかにした。国情院はこれを問題なく防いだと情報委に報告した。また国情院は「平壌医大の銃殺処刑は事実ではないようだ」とし「平壌医大の幹部が入試不正、寮を申請した住民への強制募金、売官売職などの理由で職位解除され、今も調査を受けている」と明らかにした。