憲政史上初の現職検察総長の職務執行停止命令に、検事たちが集団行動に出た。一般の検事たちの反発が激しくなるにつれ、集団行動の形である「一般検事会議」が開かれる可能性も取りざたされている。
検察総長の参謀組職である最高検察庁検察研究官約30人(司法研修院34期以下)は25日に会議を開き、検察内部の掲示板にユン・ソクヨル総長の職務停止の見直しを求める声明を発表した。彼らは「納得しがたい手続きと過程を経て電撃的に(ユン総長が)職を遂行できなくなった。検察業務の独立性を侵害するだけでなく、法治主義を深刻に傷つける行為で、違法であり不当だ」としたうえで、「検察が憲法と良心によって与えられた職務と責任を全うできるよう、法務部長官が今からでも職務執行停止処分を再考してくださるよう切に要請する」と書いた。釜山(プサン)地検東部支庁の一般検事約20人も「事実関係が十分に確認されていない現時点で検察総長に対して懲戒を請求するのは、違法であり不当な措置」だとし、「真相を確認する前に検察総長の職務を排除したのは納得しがたい」という意見を示した。
検察内部の掲示板には、幹部級の検事らの公開批判も相次いだ。ユン総長とともに国政壟断の捜査に参加した釜山地検東部支庁のキム・チャンジン刑事1部長は「政権の利益にならない事件を捜査すれば、総長も懲戒を受け、職務から排除される可能性があるというシグナル」とし、「事実上、検事たちに対する警告」だと指摘した。キム部長検事は「検事も過ちを犯した場合は懲戒を受けなければならず、総長も例外ではないが、(総長が)何の対応もせず職務から排除されれば、怖くてものも言えなくなるのではないか」と反問した。清州(チョンジュ)地検のチョン・ヒド部長検事も「長官一人でこうした驚くべきことができるだろうか。政権に寄生する政治検事と協力者がいたからこそ可能なことだ」と一喝した。
検事らはチュ長官が掲げたユン総長の職務排除の事由に「根拠がない」と主張した。済州地検のキム・スヒョン人権監督官は「総長を職務から排除するにはそれにふさわしい根拠、正当性と名分がなければならないが、職務排除の事由のどこにもそのような内容はない。憂鬱で惨憺たる気持ちだ」と書き込んだ。匿名希望のある部長検事は「汚職で起訴されたチョン・ジヌン光州(クァンジュ)地検次長検事は引き続き一線で事件を決裁するのに、総長は明確でない事由で退かなければならないのが理解できない」とし、「検察改革ではなく検察掌握だ」と反発した。
総長の不在による捜査指揮の空白を懸念する声もあがった。最高検察庁で勤務したある検事は「総長がどのような過程を経て職務から排除されたのかを見てきたチョ・ナムグァン次長検事が、敏感な事件をきちんと決裁できるだろうか」とし、「結局、法務部が検察を望む通りに牛耳ることになるだろう」と指摘した。
同日、ソウル中央地検のいくつかの部署は、部長検事の主宰で会議を開き、対策を協議した。会議に出席したある検事は「一般検事や副部長級以上の幹部たちがこの問題にどう対応するかについて議論したが、まだ明確な解決策は見つかっていない」と述べた。地方検察庁では「一般検事会議」が召集される可能性もあると見られる。ある検事は「光州や大田(テジョン)などで一般検事会議を計画中だと聞いている。集団声明はこれから始まるだろう」と予測した。若手検事たちの集団行動である「一般検事会議」は、ファン・ギョアン法務部長官がチェ・ドンウク検察総長を婚外子疑惑を口実に監察を指示したときの2013年以来招集されていない。
一方、同日から総長職務代行を務め始めたチョ・ナムグァン次長検事は「検察総長の懲戒請求および職務執行停止という前代未聞の状況で、重職を任され、非常に残念だ」とし、「検察改革の大義のもと、分裂した検察組職を一日も早く収拾し、一つになった国民の検察に生まれ変われるよう、全力で取り込む」と述べた。