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韓国政界はブラックホール…検察総長の職務停止で法相支持派と総長支持派が対立

登録:2020-11-26 07:21 修正:2020-11-26 10:38
与党のイ・ナギョン代表「ユン総長自らが進退の決定を」 
 
野党のキム・ジョンイン非常対策委員長「国がおかしくなっている」 
大統領に照準を合わせ攻撃
25日午前、国会で開かれた法制司法委員会の全体会議でユン・ホジュン委員長が散会を宣言している。会議は野党「国民の力」の議員の要求で開かれたが、ユン・ソクヨル検察総長の出席問題をめぐり与野党が対立し、わずか14分で散会した=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 ブラックホールだ。高位公職者犯罪捜査処(公捜処)についての衝突も、災害支援金をめぐる対立も、史上初の検察総長の職務停止の事態の前では力が及ばなかった。「チュ・ミエ法務部長官支持派」と「ユン・ソクヨル検察総長支持派」で立場が分かれた与野党は、2日にわたり激しい対峙を続けた。与党は前日、チュ・ミエ長官がユン・ソクヨル総長の職務停止の事由として言及した「チョ・グク前法務部長官を担当する裁判所への不法査察」を既成事実化し、「国政調査」と「総長職辞任」を同時に要求した。野党はチュ長官に対する弾劾を検討することで対抗し、沈黙する文在寅(ムン・ジェイン)大統領に戦線を拡大した。

 共に民主党のイ・ナギョン代表は25日、国会で開かれた民主党最高委員会議にテレビ会議形式で参加し、「法務部が明らかにしたユン総長の疑惑で最も衝撃的なことは、判事の査察」だとし、「そのような時代錯誤的で危険極まりないことが検察内部に今なお残存しているのか、その真相を糾明し、根を断ち切らなければならない。国会の国政調査推進の方法を党で検討してほしい」と注文した。イ代表は続けて「検察の未来のために、自ら進退を決めてほしい」とし、ユン総長の辞任を繰り返し求めた。

 野党「国民の力」は、法務部の措置を猛非難し、文在寅大統領に照準を合わせた。キム・ジョンイン非常対策委員長はこの日、国会で緊急記者会見を開き、「大統領が検察総長を解任する権限を持っているにも関わらず、このような事態を作り出し、国がおかしくなった」と大統領を攻撃した。チュ・ホヨン院内代表も、「暴力団の集団暴行のようだ」とし、「チュ・ミエ長官のこのような暴挙も問題だが、後ろで黙認し、別の見方をすれば楽しんでいる文在寅大統領がはるかに問題だ。大統領が気に入らないのであれば、本人が政治的責任を取って解任せよ」と声を高めた。

 与野党は、この日の午前に開かれた国会の法制司法委員会の全体会議でも、ユン総長の出席問題をめぐり攻防を繰り広げた。野党幹事のキム・ドウプ議員は、国民の力単独で要求し召集された法制司法委員会の全体会議で、「重大なことに対して懸案質疑をなぜ避けるのか。法制司法委員会を開議するといってユン総長がたったいま最高検察庁を出発したという伝言がある」と主張した。すると民主党所属のユン・ホジュン法制司法委員長は、「委員会で出席を要求したこともなく、議事の日程が確定したこともない。誰と話して検察総長が自分の望み通りに会議に入ってくるというのか」と対抗し、わずか14分で散会を宣言した。これに反発した国民の力所属の法制司法委員はこの日の午後、最高検察庁を訪れ、総長の職務を代行しているチョ・ナムグァン次長検事と面談した。国民の力は、26日午前10時に再び緊急懸案質疑を開くための法制司法委員会の全体会議の召集を要求するという計画だが、民主党は、ユン総長が現在は職務から排除された状態で、国会に出席することについては不適切だという立場であるため、与野党がユン総長の出席問題で合意する可能性は高くないと思われる。

 国民の力は、チュ長官に対する弾劾訴追や解任建議など、与党に対抗する方法も検討している。この日、党内の法曹出身者として緊急会議に参加したユ・サンボム議員は、文化放送(MBC)のラジオで、「党でチュ・ミエ長官に対する解任や弾劾など、さまざまな案について緊急で論議している」と明らかにした。民主党は、ユン総長に対する法務部の懲戒手続きを一旦見守って、結果が出たら国政調査や独立検察官の導入などを通じて責任を問うという基本的な立場を維持している。

チャン・ナレ、ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/971503.html韓国語原文入力:2020-11-26 02:30
訳M.S

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