チュ・ミエ法務部長官は24日、ユン・ソクヨル検察総長に対し懲戒を請求し、職務停止を命令した。
チュ長官は同日午後6時4分にソウル高等検察庁の記者室で緊急記者会見を開き、「法務部長官として、検察総長による総長としての職務遂行がこれ以上容認できないと判断し、懲戒を請求し、検察総長の職務執行停止を命令した」と明らかにした。現職の検察総長の職務排除は憲政史上初めてのことだ。
ユン総長の職務排除の理由は、報道機関の社主との会合▽チョ・グク前法務部長官の捜査チームへの違法査察▽「検察・メディア癒着」チャンネルA事件およびハン・ミョンスク元首相の政治資金法違反事件に関する監察妨害▽総長の対面調査過程での協力違反および監察妨害▽政治的中立の損傷など、合わせて5点だ。
チュ長官は、次期大統領候補の支持率調査でトップの支持率を得たユン総長の政治的中立を問題視した。チュ長官は、「検察総長はどの職位よりも政治的中立に対する国民の信頼が重要であり、それに対する疑惑を持たれるいかなる言動も行ってはならないということが憲法と法律に明示されている」とし、「これ以上検察総長としての職務を遂行できない程度に達した」と強調した。
ユン総長は先月22日の最高検察庁の国政監査で、「退任後は国民のためにどのように奉仕するかを考えてみる」とし、退任後の(大統領選の)出馬に対する余地を残した。主要事件を扱った裁判所に対するユン総長の不法査察も、職務排除の理由に挙げられた。法務部は、ユン総長がチョ前長官の事件と蔚山(ウルサン)市長選挙介入事件を担当した判事の指向に関する報告書を、最高検察庁の反腐敗強力部に渡すよう指示したことを把握した。
チュ長官はこれに対し、「捜査情報政策官室では収集できない判事の個人情報と指向に関する資料を収集して活用するなど、職務上の義務に違反した」と明らかにした。
ユン総長が、2018年に金融委員会の証券先物委員会がサムスンバイオロジクスの粉飾会計を検察に告発した日、総合編成チャンネル「JTBC」の実質的な社主であるホン・ソクヒョン氏と会合を持ったという疑惑も、懲戒請求の容疑に加えられた。チュ長官は、「ユン総長は検事倫理綱領に違反した」と説明した。報道機関の社主との会合は以前にチュ長官が指示したユン総長関連の監察案件だ。
またチュ長官は、ユン総長が監察規定に違反したと明らかにした。最高検察庁は総長の対面調査を拒否し、書面調査の立場を固守してきた。チュ長官は、「この事案は不正が重大であり、監察調査の原則上、不正に関わる容疑者である検察総長に対する対面調査が必須な事案だった」と述べた。
その他にも、検察・メディア癒着関連の疑惑を持たれているハン・ドンフン検事長に対する監察を妨害する目的で関連情報を外部に流出した疑惑、ハン・ミョンスク元首相の事件の監察などを妨害した疑惑などが、職務排除の理由に挙げられた。
ユン総長に対する圧迫は、より一層強まる見通しだ。チュ長官は、「今回の監察調査の結果の報告を受け、言いようのない衝撃を受けた」とし、「他の不正疑惑に対しても厳正に真相究明を進める予定」だと付け加えた。
最高検察庁はチュ長官の発表直後、「(ユン総長は)検察の政治的中立性を守るためにこれまで一点も恥じることなく検察総長の任務を全うしてきた」とし、「違法で不当な処分に対し、最後まで法的に対応する」という立場を明らかにした。最高検察庁は近いうちに執行停止申立てで正面対抗に出る方針だ。